勝つことがすべてではない 体と心を育むスポーツトレーナーの極意
「正しいトレーニング法」を教える
長くスポーツを楽しむためには、けがを予防することが大切です。そのためにトレーナーやコーチにできるのは、正しいフォームやトレーニングマシンの使い方、ウォーミングアップやクールダウンの方法などの「正しいトレーニング方法」を教えることです。テーピングなど、自分でけがを予防するケアの方法も指導します。
これに加えて鍼灸(しんきゅう)といった「医学」の知識を学んでおけば、選手の痛みや故障を癒やすこともできます。腰痛や膝痛が再発しない筋力トレーニング法と合わせれば、足腰が強い選手を育てることができます。
スポーツがくれる大切なもの
「スポーツコーチング論」では、このような効果的なトレーニングの指導法を学ぶだけではなく、どんなふうに関われば選手の悩みや不安を解消できるか、メンタルトレーニングについても学びます。
また、競技スポーツではもちろん勝つことを目標としていますが、勝つことだけがすべてではありません。なぜならスポーツは、人を成長させたり、礼儀やマナーを教えてくれたり、見る人に感動をくれたりと、人間にとって「大切なもの」をたくさん与えてくれるものでもあるからです。そして、そのスポーツを守り、支え続けていくために、スポーツコーチング論はあるのです。
アスリートだけでなく子どもや高齢者にも役立つ
さらに、スポーツコーチング論は、オリンピックなどで活躍するアスリートだけに必要なものなのではありません。学校の部活、一般のスポーツクラブはもちろん、高齢者のスポーツにも大いに役立ちます。高齢化がますます進む中、高齢者が安全に運動できるよう指導することは、社会的に大きな意義があります。
「孤独になりがちな高齢者が集まり、スポーツを楽しむ」「引きこもりがちな子どもたちに、体のケアの仕方を教えながら触れ合う」、そんな大切な時間を作ることにも、スポーツトレーナーは貢献しています。
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先生情報 / 大学情報
関西医療大学 保健医療学部 はり灸・スポーツトレーナー学科 講師 寺岡 祐助 先生
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