アスリートを支え輝かせるアスレティックトレーナー
アスレティックトレーナーの役割と資格
スポーツドクターやコーチと協力し、アスリートの活動を支えるのがアスレティックトレーナーです。業務としてはドクターの指示のもとテーピングやマッサージ、ケガの応急処置などを行うほか、水を運んだり、洋服をたたんだりといったマネージャー的な役割も含まれています。アメリカでは早くからトレーナーの地位が確立されていましたが、かつて日本でトレーナーと言えば、鍼灸(しんきゅう)師や柔道整復師、理学療法士、医師などが兼任していました。日本のアスリートたちが世界レベルで戦う中で、同じ言語でサポートできる人材を育成しようと、日本でもアスレティックトレーナーの資格が誕生したのです。
一流への道は険しい
プロのアスレティックトレーナーになるには日本スポーツ協会の講習を受けた上で、資格を取得しなければいけません。実はこれが難関で、理論試験・実技試験をともにパスする確率は非常に低いのが現状です。アスレティックトレーナーは個人での活動が中心です。ただし資格を取れば、すぐに活躍できるという世界でもありません。実業団チームなどに採用されるには実績が必要なため、3~5年ほどは先輩トレーナーのアシスタントとして活動を続けるのが一般的です。競技ルールや特性を把握しなくてはいけないので勉強の毎日です。またアスレティックトレーナー自身は、医療資格ではないため、鍼灸師や柔道整復師、理学療法士などの資格とともに取得する人も増えています。
広がる活動領域
2023年現在日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーは全国で5002名(令和4年10月1日現在)ほどいて、大学や実業団だけでなく、最近は高校生の大会などでもニーズが高まっています。アスリートの身体について熟知し、トレーニングを通じてパフォーマンスやメンタル面を向上させるアスレティックトレーナーは、今やスポーツチームには欠かせない存在となってきました。今後もより広いフィールドでの活躍が期待されています。
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先生情報 / 大学情報
至学館大学 健康科学部 体育科学科 教授 佐藤 丈能 先生
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