仕事としてのゲーム開発に必要なこと

仕事としてのゲーム開発に必要なこと

内輪受けではゲームは作れない

子どもの頃から親しんできたゲーム。それをつくることを仕事にしたいと考える人も多いのではないでしょうか。しかし、ゲーム開発の仕事は、「自分が楽しいものを作ればいい」という感覚では到底できません。たとえ感性の似通った仲間内で評判が良くても、それが多くの人々に受け入れられるとは限らないからです。ターゲットとする人たちに共感してもらえる企画でないと、ビジネスとしてのゲーム開発はできません。消費者側の視点から、作り手側の視点へとマインドシフトをすることが最も重要です。

開発工程は行きつ戻りつの「スパイラル構造」

一口に「ゲーム開発」といってもさまざまな職種があり、それぞれの専門知識を生かして共同で開発にあたります。例えば、プロデューサー、ディレクター、プランナー、アニメーター、プログラマー、サウンドクリエイターなどです。ゲーム開発の手順は、企画・設計から始まり、プロトタイプを作り、α版・β版と呼ばれる試作を何度か繰り返し、完成版になるという流れです。会社によってこのフローは異なりますが、例えば、ほぼ完成に近いβ版で大きなバグが見つかれば、もう一度設計に戻ることもあり、開発が行きつ戻りつの「スパイラル構造」になっているということは共通しています。このスパイラルには、さまざまな職種の人が携わっており、お互いをよく理解するために多くのコミュニケーションを経て一つの作品を仕上げていきます。

「とにかく作る」ではなく、「プレゼンで伝える」

ものづくりというと「とにかく作ってみよう」と考えがちですが、実際のゲーム開発では、まず企画書として人に伝えることが求められます。その上で、会社内や取引先に、作りたいゲームの楽しさやほかのゲームと比べた場合の優位性などを理解してもらいます。そして開発が決まれば、いよいよ実際のものづくりに入っていき、試作を重ねます。人にプレゼンテーションをして、そのゲームの面白みや優れているところを理解してもらうこともゲーム開発者にとっては重要なスキルなのです。

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東京工科大学 メディア学部 メディア学科 教授 三上 浩司 先生

東京工科大学 メディア学部 メディア学科 教授 三上 浩司 先生

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メディア学、デザイン学、情報学

メッセージ

高校生時代には、娯楽というものに真剣に向き合っておいてほしいです。ありとあらゆるエンタメ、例えば名作と呼ばれる映画、演劇、能や狂言、ゲーム、各種のテーマパークなどです。そして、たとえ苦手だからといって、特定の教科を嫌いにならないでほしいです。嫌いでなければ、大学に入ってから人の倍の時間をかけることでなんとでもなります。ゲーム開発には、シナリオを書いたり(国語)、プログラミングをしたり(理数)、さまざまな力が必要ですから、どの教科も嫌いにならないでほしいと思います。

先生への質問

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東京工科大学に関心を持ったあなたは

創立以来、産業界の要請を的確に予測し、一貫して実学を身に付けた人材の育成を目指してきました。またそのために、「ONLY ONE,BEST CARE」(OBC)という行動規範を掲げ、教職員が一丸となって教育改革に取り組んでいます。具体的には、●学生の個性を重視した教育の実施●先端技術教育による実社会に役立つ技術者や多様なエキスパートの育成●ICT に精通した技術者や多様なエキスパートの育成●国際的人材育成のための外国語(特に英語)の実践教育、の4つのミッションが実現するよう日々の努力を重ねています。