デジタルで広がる情報の世界、情報学って何だろう?
情報をデジタルで世界に発信する
パソコンやインターネットの出現で、情報の保存方法は劇的に変化しました。近年、書籍や雑誌、地図、写真、絵画、アニメ、ゲーム、音楽など、さまざまな情報をデジタル化し保存する「デジタルアーカイブ」の取り組みが進んでいます。デジタル化のメリットの一つは、コンテンツそのものを傷めずに保存できることです。従来、図書館や博物館、公文書館などでは、貴重な書物や文化財などの状態を保つことを理由に公開されないものもありました。それがデジタル化により、傷めることなくインターネットを通じて世界中の人に発信できるようになったのです。
期待される経済効果
ヨーロッパでは、文化財などの情報を国の重要な資源の一つとしてとらえ、全世界に発信することで経済活性化や雇用促進につなげています。日本では、こうした情報資源の活用は始まったばかりです。例えば、アニメやマンガなども日本が誇る文化財の一つですが、これらを知的な資源として世界に広く情報発信することで、新たな経済効果が生まれるでしょう。
2010年3月、国立国会図書館に「デジタル情報資源ラウンドテーブル」が設置され、日本のデジタルアーカイブ、デジタルコンテンツの充実が図られるようになりました。また、各地の公共図書館においても地域レベルで郷土の情報サイトをつくり、行政や大学と協力して地域の活性化を進めようという動きが見られます。
情報学の魅力
今後、公共図書館などの施設は、地域の拠点として、住民、地元企業、行政の情報交換やコミュニケーションの場としての機能が一層高まると考えられます。そこでは、利用者の視点に立って情報を収集・整理・管理し、必要な情報を新たにつくりだせる人材が求められます。情報の扱い方はもちろんのこと、ユーザビリティ(使いやすさ)、リーダビリティ(文章の読みやすさ)や検索の精度を考えるなど、人間工学や心理学、社会学などの知識が必要です。デジタル化が進む社会生活の中でこうした幅広い領域を学べるのが情報学の魅力の一つと言えます。
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先生情報 / 大学情報
愛知淑徳大学 人間情報学部 人間情報学科 教授 菅野 育子 先生
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先生への質問
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