創造をサポートするアプリケーションの、優れたUIとは?

創造をサポートするアプリケーションの、優れたUIとは?

AIではできない「創造」をサポート

「おはなし迷路」とは、紙の上に描かれた迷路の道筋に文字が並んでいて、入り口からそれを読んでいくと、ゴールにたどり着くまでが一つの「おはなし(物語)」になっているというものです。分岐点で間違った方向に進むと、物語の結末が変わってしまうという仕掛けになっています。
一見単純そうですが、この「おはなし迷路」を作るときの、「意味のある文字列を考えて、それをうまく迷路に当てはめていく」プロセスは、コンピュータで行おうとすると、迷路のサイズが少しでも大きくなると、何億年という時間がかかります。こうしたコンピュータで代替できない人間のモノづくりをサポートするアプリケーション開発は、情報技術の分野で大切な研究テーマです。

人間の思考プロセスを分析しUIを設計

「おはなし迷路」も、作成支援ツールが開発されています。このアプリケーションには、「文字を入力する」「迷路上に配置する」「分岐点を決める」といった操作が簡単にできる機能があります。
操作方法など、コンピュータと人間の接点全般を、ユーザーインターフェース(UI)と言います。アプリケーション開発にはこのUIデザインが重要で、特にクリエイティブな作業の際のUIをデザインするときに、開発者はまず、クリエイターの思考プロセスを分析します。「おはなし迷路」の場合なら、作り手は「文章を考える⇔配置する」など、複数の作業を行き来しながら考えます。その思考の流れに沿って、スムーズに必要な機能を使えるようにするUIが必要なのです。

人とコンピュータのコミュニケーション

UIというと、イラストやCGなどの視覚的なわかりやすさばかりを考えがちです。しかし、使いやすいツールを開発するためには、UIのデザイン(設計)の際にコンピュータシステムを「人とコンピュータとのコミュニケーション」と捉えて、人間の思考プロセスも考慮する発想が必要になります。こうしたUIデザイン技術が、ゲームなどさまざまなアプリケーション開発に必要とされています。

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先生情報 / 大学情報

岩手大学 理工学部 システム創成工学科 知能・メディア情報コース(令和7年度から 理工学科 クリエイティブ情報コース所属) 教授 松山 克胤 先生

岩手大学 理工学部 システム創成工学科 知能・メディア情報コース(令和7年度から 理工学科 クリエイティブ情報コース所属) 教授 松山 克胤 先生

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情報システム学、情報学、情報工学

メッセージ

プログラミングなどが身につくと、大前提として「自分の思ったものを創れることは楽しい」と感じるはずです。どんなものを創ろうかと考える時間もまた楽しいです。そのためには、数学やコンピュータの原理を学ぶ必要があるのですが、そこをクリアすれば、とても自由で楽しく、創造性にあふれた世界が待っています。今楽しんでいるゲームなどで、「ここをこうすればいいのに」と感じたことはありませんか? 情報システムを学んで、そうしたアイデアを自分の手で形にしていってください。

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岩手大学は、人文社会科学部、教育学部、理工学部、農学部の4学部からなり、文理バランスの取れた総合大学です。
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