「肩のトラブル」はなぜ起こる? スポーツと、身体の構造の関係

「肩のトラブル」はなぜ起こる? スポーツと、身体の構造の関係

「肩」は関節の複合体

「肩って、どこ?」と問われたら、腕の付け根あたりを指す人が多いかと思います。しかし、肩はいくつかの関節の複合体でできているのです。関節では「肩甲上腕関節」「胸鎖関節」「肩鎖関節」があり、その関節を構成する骨には「肩甲骨」「上腕骨」「鎖骨」があります。実際に肩を上下させると、その動きに合わせて肩甲骨と鎖骨も必ず動きます。この肩甲骨の動きを作っているのが胸鎖関節と肩鎖関節で、動きをガイドしているのが鎖骨です。このようにそれぞれが役割分担しながら、肩の動きを作り出しているのです。

肩のトラブルを防ぐには

野球やバレーボールといった球技をやっている人は、「肩が痛い」「肩が上がらない」という経験があると思います。肩は特定の関節に負荷が集中すると、トラブルを引き起こしやすくなります。また、上半身や下半身といった肩以外の部分の動きも肩に影響していることがあります。肩のトラブルを防ぐには、じゅうぶんなウォーミングアップとクールダウンを心がけることが大切です。例えば体をねじる、ひねるといったストレッチは、肩甲骨や上半身全体の筋肉の柔軟性にもつながります。運動後は、同じ動作を繰り返すことで、炎症などを起こした筋肉をしっかりクールダウンさせることも重要です。

身体の構造にしたがって、全体を見る

重要なのは肩の構造や身体全体との関わりを知り、スポーツの特性や個々の能力に合ったトレーニングをすることです。これは、プレーのパフォーマンスの向上にもつながります。理学療法士の仕事は、関節や骨といった身体の構造にしたがって、さまざまなトラブルに対応するだけではなく、その人の運動能力を高めることにも関わります。スポーツ選手に限らず、一般の人の「関節が痛い」「足が動きにくい」などの悩みに対しても、その原因や影響を体全体からしっかり見ていくことが理学療法士の役目なのです。

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先生情報 / 大学情報

大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻 准教授 村西 壽祥 先生

大阪河﨑リハビリテーション大学 リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 理学療法学専攻 准教授 村西 壽祥 先生

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理学療法学、運動学

先生が目指すSDGs

メッセージ

私の研究の主要なテーマは、肩関節の動きで、動きをよくするにはどんな運動をしたらいいかなどを研究しています。人間の体の動きというのは、普段は意識していませんが、実はいろいろな場所の動きの集合の結果として作り出されています。人間のひとつの運動を知るということは、体全体を知ることにつながります。自分の体がどんな仕組みで動いているのか、そのメカニズムの複雑さと面白さをぜひ知ってもらいたいです。

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