プロスポーツ選手を医療で支える! 早期復帰を助ける整形外科医の力

プロスポーツ選手を医療で支える! 早期復帰を助ける整形外科医の力

スポーツ選手を裏で支える整形外科医

野球やサッカーなどの競技でプロとして活躍するスポーツ選手は、試合に出場することで観客に勇気や感動を与えてくれます。その一方で、けがをするリスクが高い職業でもあります。けがによる治療でチームを長期間離れることは、選手にとってもチームにとっても痛手となるため、短期間での治療が求められます。そこで力になるのが、整形外科医の存在です。

選手の復帰を早める工夫

けがの治療後に短期間で回復するためには、手術の手技や術後のリハビリといった部分で工夫が必要です。特に長くかかるリハビリは、頻度を上げることで治療期間の短縮につながります。
プロスポーツチームにはリハビリを担当する専属の理学療法士のトレーナーがいるため、その環境を生かしてリハビリの時間を増やすことができます。ただし、むやみにリハビリの頻度を増やしていいわけではありません。骨や筋肉が接合しようとしている患部に負荷をかけ過ぎないなど、リハビリ時の注意点を整形外科医が明確に示し、トレーナーと連携してトレーニングメニューを組む必要があります。こうした連携により、通常6カ月以上かかる肩関節脱臼の治療が、術後4カ月で試合復帰までできたというプロサッカー選手の事例もあるのです。

今後の選手人生も見据えて

けがの種類や選手の年齢によっても治療の方法は異なります。肩関節を例にあげると、若いスポーツ選手の場合は脱臼によるけがが多くなります。10代20代の頃の体は高い柔軟性を持ちますが、肩関節がゆるいことで脱臼が起こりやすくなっているのです。一方で、年齢を重ねると肩周りの筋肉が硬くなり、動かしにくくなっていきます。そのため、若いうちに肩関節脱臼の手術を行う場合、再び脱臼しないように肩関節をがっちりと固めるだけではなく、年を重ねたあとも動かしにくくならないような加減が必要です。患者の先の人生まで考えて治療方針を決めていくことが大切なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

四国大学 生活科学部 健康栄養学科 教授 中井 大輔 先生

四国大学 生活科学部 健康栄養学科 教授 中井 大輔 先生

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スポーツ医学、整形外科学

先生が目指すSDGs

メッセージ

普段は病院で整形外科医として治療をしながら、大学ではスポーツ現場で活躍できる看護師を養成しています。私は医師としての経験を積んだ上で、スポーツ医学を学びました。興味を持って研究を進めるうちに、スポーツ選手を診る機会が増えてスポーツ医学が専門になったのです。あなたも今やりたいことが見つからないとしても、目の前にあることにしっかりと向き合い、学びを積み重ねていくことでやりたいことにつながっていくはずです。大学では自由な発想で勉強して、将来飛躍するための土台を作っていってください。

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