MRIで患者を救う! 診療放射線技師が奮闘するMRIの役割
MRIって何?
診療放射線技師が行うMRI検査は、患者の体の中を可視化するために大型機械で撮像します。CT検査は放射線を使いますが、MRI検査では被ばくのないラジオ波という電磁波を使います。仕組みが異なるため、早期の脳出血はCT検査の方が見つけやすい、超早期の脳梗塞ならMRIの方がわかりやすい、といった特性の違いがあります。医師が「先にMRIを撮ろう」などと言うのは、MRIで発見しやすい病を疑っているからです。
MRIについて、パラメータを変えて病気を発見しやすくする研究や、撮像した画像にさらに処理を行うことで、通常では得られない情報を得られるようにする技術の研究が行われています。これによって、例えば体が震えたり硬直したりする進行性の病気「パーキンソン病」の早期発見への有用性が示唆されています。
MRIへの理解が患者を救う
最近のMRI検査機器はAI技術の導入により目覚ましい進化を遂げ、ボタン1つで検査が始められるようになっています。しかし、MRIの原理は非常に難解であり、多くの医療関係者が苦手意識を持っています。機械が進化しているのだから原理を理解していなくても別にいいのではないか、というのは間違いです。トラブル発生時にはその原理を理解した診療放射線技師の存在が不可欠であるため、その重要性は依然として変わりません。
放射線への理解を深める
診療放射線技師になるためには、難解なMRIや放射線の理解は必要不可欠です。すでにコンピュータを使って、ゲーム感覚で学べる教材が充実している一方で、カードゲームを教材にして学ぶなど、手を使って勉強できる教材開発も盛んです。また、唯一の被ばく国でありながら様々な産業に放射線を活用している日本では、国民に正しい放射線の知識を持ってもらうための小中高校生を対象にした放射線教育も重要です。そのためにもゲーム感覚で学べる教材などは、児童・生徒が放射線を正しく理解する一助になると考えられています。
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先生情報 / 大学情報
駒澤大学 医療健康科学部 診療放射線技術科学科 助教 村田 渉 先生
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