脳の不思議
あなたは右脳派? 左脳派?
人の性格を表すのに「右脳派」、「左脳派」という言葉を使うことがあります。これは脳のはたらきが右左で違うことに注目して考えられた一種の性格判断です。
一般的に右脳派は、直感力や感性が豊かな芸術家タイプで、左脳派は、論理的思考や計算など分析能力に優れた学者タイプであると言われています。
ではここで、あなたが右脳派か左脳派かを判定するテストをしてみましょう。まず左右の手の指を組んでみてください。もし右親指が左親指の下にきたら右脳派、その反対であれば左脳派とされています。どうでしたか? 自分の意外な面を発見できて楽しいでしょう。ただこのテスト、残念ながら、はっきりとした根拠がないものなのです。
右は空間認識、左は言語
右脳を右半球、左脳を左半球と言いますが、どちらも持っている機能はほぼ同じです。ただ右半球、左半球は、それぞれ得意分野を持っています。例えば右半球は空間認識、図形認識、音楽的能力といった分野に優れており、左半球は言語機能、計算能力が優れています。また脳は、右半球、左半球それぞれが受けとった情報を、脳梁(のうりょう)と呼ばれる部位で反対側に伝えるといったこともしています。
右半球、左半球が、どのような機能に優れているかは、脳梗塞などで脳がダメージを受けた場合によくわかります。例えば言語機能に優れた左半球にダメージを受けると話す、聴いて理解する、読む、書くことができなくなる言語障がいになり、音楽的能力に優れた右半球にダメージを受けると、歌が歌えなくなる失音楽という障がいになります。また右半球は空間認識が優れているので、左側の認識ができなくなる左半側空間無視という障がいが起きてしまいます。
脳に対する研究は日夜進んでいますが、非常に奥深く、実はまだまだ解明し尽くされていません。それだけ研究の余地が残されている面白い分野です。
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