講義No.04022 法学

知的財産権が保護するものって何だ?

知的財産権が保護するものって何だ?

知的財産法とは?

「知的財産法」とは、財産的な価値を有する情報の保護に関する法律の総称であり、知的財産法という名前の法律があるわけではありません。発明を保護する特許法、著作物を保護する著作権法をはじめとして、車や家具などの工業的なデザイン(形状・模様・色彩など)を保護する意匠法、ブランドを保護する商標法、営業秘密の不正な利用などを規制する不正競争防止法といった、いくつかの法律をまとめて知的財産法と呼んでいるのです。

保護と利用のバランスが大事

優れた情報を創作しても、知的財産権の保護が全くなければ、後で簡単にまねをされてしまいます。これでは創作者の利益が損なわれ、優れた情報が生み出されなくなるため、一定期間(特許の場合は出願から20年)に限って独占権を与え、その間は独占的に利益を回収することを法律で認めています。
一方で、保護をあまりに強くする(例えば保護期間を永遠にする)と、利用に対するマイナス面が大きくなってしまいます。そこで、保護と利用のバランスの取り方が知的財産法の課題となっています。

著作権法が保護するもの、しないもの

「似ている」「まねだ」としばしば話題となり、ときに訴訟となる著作権侵害ですが、著作権法は表現だけを保護してアイデアは保護していません。例えば、話をたどっていくうちに、最後に犯人を明らかにする「推理小説」というジャンルがあります。当然のことながら、このジャンルを最初に作り出した人がいるわけですが、推理小説という抽象的なアイデアについて著作権は発生しません。どうしてアイデアは保護されないのでしょうか。
それは抽象的アイデアに著作権を認めてしまったら、後から推理小説を書こうとする人は、権利者の許諾を得なければならず、このジャンルにおける創作活動ができなくなってしまうからです。こうした理由で、アイデアは著作権法では保護されていないのです。逆に著作権法によって保護されるのは「具体的な表現」となります。しかも創作的に表現されているものがその対象となります。

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明治大学 法学部 法律学科 教授 金子 敏哉 先生

明治大学 法学部 法律学科 教授 金子 敏哉 先生

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法学、知的財産法

メッセージ

法学を学ぶことは、法律の条文を丸暗記することではありません(そんなことは無理です)。法的なものの考え方を身につけること、すなわち、自己の主張の結論が正しいと闇雲に主張するのではなく、相手方と共有する判断基準(法律の条文、論理性、実質的な考慮要素など)に照らして、相手方の主張を評価し、また自らより説得力のある議論を展開する能力を習得することこそが、法学部で学ぶことの意義となります。

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