講義No.02949 法学 経済学

音楽もテレビも身の回りは著作権のオンパレード!

音楽もテレビも身の回りは著作権のオンパレード!

法律は時代に合わせて少しずつ変化している

時代が移り変わると、法律はできた当時のままでは対応できなくなります。だから、技術の進歩や人々の考え方によって、毎年少しずつ改正されているのです。法律と言うと難しいイメージがあるかもしれませんが、私たちの生活にとても密接に関係しています。

「着うた」はかかわった人みんなにお金が入る

知的財産権の範疇(はんちゅう)に「著作権」と「著作隣接権」という権利があります。著作権とは、音楽や絵、写真、コンピュータプログラムなどをつくった人に認められる、創作物を利用する権利です。著作隣接権は、作品を直接つくった人ではありませんが、世の中に広めるために重要な役割を果たしている人に発生する報酬請求権です。例えば音楽では、作詞家・作曲家に著作権があり、歌手・演奏家・レコード製作者などに著作隣接権があります。
携帯の着信音に好きな音楽を使っている人もいることでしょう。最近は「着うた」、その前は「着メロ」が主流でした。着メロは作曲家に著作権、演奏家に著作隣接権が発生して、作曲家と演奏家にだけ報酬が入りました。これが着うたになると、作詞家や歌手、レコード製作者にも報酬が入ります。

昔のドラマは名作でも再放送が難しい

テレビ番組の場合、番組が再放送されると出演した人には著作隣接権で報酬が入ります。この著作隣接権については、昔はきちんとした契約があまりなされていませんでした。例えばエキストラで出演した通行人Aにも著作隣接権が発生しますが、古い番組だと探し出して許諾をとるのは至難の業(わざ)です。しかし、出演者全員の許諾を得なければ放送はできません。したがって古い番組は、たとえ名作と呼ばれるドラマであっても再放送やDVD化されるものが少ないのです。
近年は番組をつくる前に、著作隣接権のある人と、再放送やDVD販売の契約を交わしています。最近の番組が繰り返し放送できるのはそのためです。
このようにあなたの身近にある音楽やテレビ番組にも、法律は深くかかわっているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

桃山学院大学 法学部 法律学科 教授 馬場 巌 先生

桃山学院大学 法学部 法律学科 教授 馬場 巌 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

法学

メッセージ

高校生の間に歴史や地理をきちんと学んでおいてほしいと思います。例えば法学部で言えば、自由権や平等権を知るためにはフランス革命を知っていなければなりません。さらにその背景に、産業革命で手工業から機械制大工業化されてブルジョア階級が生まれ、市民と貴族や王様との対立があってフランス革命が起こったことも、理解する必要があります。歴史や地理は年号を覚えるだけではなく、内容と、それが現代にどのようにつながっているかを勉強してください。そういう知識があると、大学に入って専門分野を学ぶうえでとても役立ちます。

先生への質問

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大学4年間は、実社会で活躍する前の最終教育期間です。実社会で問われるのは、解決すべき課題を見出し、その課題を具体的に解き、そして実行する力です。この課題解決と実行のためには物事の本質を見抜く力を自らが獲得していかなければなりません。
桃山学院大学は「自ら学ぶ力」をはぐぐむ大学。勉学、クラブ活動、ボランティア活動、海外研修、キャリア支援など、学生が自身の能力を自覚し、4年間で磨き上げていくための環境整備に力を入れています。
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