国際的なビジネスの成功のカギを握る、戦略と人材の力
国際マーケティング
旅行や留学で海外に行くと、日本と同じように売られているものと、そうでないものがあります。例えば世界中に展開する企業のハンバーガーやコーヒー、コーラは前者であり、自動車やカップ麺は後者にあてはまります。国や地域の境をまたいだ際に生じるこうした違いには、主に「文化」「政治」「経済」「地理」が関係しています。これらの要素が近ければビジネスが受け入れられやすく、そうでなければ修正する必要があります。このように、国内だけでなく海外の環境も考慮しながら、モノやサービスが国際的に売れる仕組みや戦略について考える学問を、国際マーケティング論といいます。
標準化と適応化
国際的なマーケティングを成功させるためには、本国にある本社と、各国にある子会社が密にコミュニケーションを図ることが大切です。本社は海外展開によって生じるコストを極力カットしようとするため、本国と同じような商品・サービス・価格・流通形態を重視します。一方で海外の子会社は、その国・地域の現場に精通しているため、本社の方針に対して「ここをこうすれば売れる」という意識が強く働きます。国内展開を海外に同じように持ち込もうとすることを「標準化」といい、その国・地域の環境に合わせて変えていくことを「適応化」といいます。これらのバランスをいかにとるかが、結果を大きく左右します。
海外の現場に立つ人材の力
もう一つの重要なポイントは、子会社側のマーケティング担当者の能力です。本社は入念な調査・準備を行ってマーケティング戦略を策定しますが、いざそれを現場で実行するためにはさまざまな課題が生じます。担当者がその国や地域で人脈をつくり、適切な広報戦略を立てるなど、元の計画に固執せず、臨機応変に対応する必要があります。規模の大きな多国籍企業といえば、本社の戦略や方針に注目が集まりますが、それぞれの国・地域でビジネスの最前線に立つ人材の力も、その躍進を支える大きな原動力になっているのです。
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先生情報 / 大学情報
明治大学 商学部 講師 鈴木 仁里 先生
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