小さいけれど重要! 電化製品に不可欠な集積回路
電化製品のほとんどに使われている集積回路
パソコンをはじめ、テレビや洗濯機などの電化製品は私たちの生活に欠かせません。最近は、ほこりの多さに応じて吸い込む力を調節してくれる掃除機や、自動的に庫内の温度を保ってくれる冷蔵庫など、便利な機能が搭載された製品が次々と開発されています。機能が充実すれば、当然、内部の仕組みは複雑にならざるをえません。製品の各機能を作動させるためには、その部分に電気を通したり切ったりする回路が必要になるので、機能が多いほど、回路も多くなります。限られたスペースに回路を詰め込むためには、ICと呼ばれる板状の集積回路が使われます。そして現在は、さらにたくさんの回路をもつLSIという集積回路が主流で、ほとんどの電化製品に使われています。
1ミクロン未満の回路をどのように配線するか
製品の小型化が求められるとともに、集積回路の小型化も進んできました。集積回路の中には、ミリ単位のチップに無数の配線が入っているものもあります。このように小さいスペースに複雑かつ細かな配線を敷くとなると、回路設計も人間の力だけでは困難で、設計用のソフトウェアの開発が不可欠になります。コンピュータに最適な配線を計算させ、図面に起こしていき、コンピュータで描けなかった仕上げ部分を人間が施します。
回路をつくるには、ソフトとハードの知識が不可欠
しかし、コンピュータの計算通りに設計できたと思っても、実際に製品に組み込み、動作させてみると、まったく動かなかったり、意図した動きと違ったりする場合がほとんどです。原因は、設計用のソフトウェアの問題のときもありますが、組み込んだ製品側(ハード)の原因ということもあり、さまざまです。何度も試作を繰り返すことで原因がクリアになっていき、完成させることができます。よい回路をつくるには、ソフトの知識だけでなく、ハードについてもしっかりと勉強し、理解する必要があるのです。
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中京大学 工学部 電気電子工学科 教授 磯 直行 先生
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