プラズマを電化製品だけでなく、未来に役立つ用途に利用しよう!

プラズマを電化製品だけでなく、未来に役立つ用途に利用しよう!

雷と蛍光灯の原理は同じ

プラズマとは高エネルギーのイオンや電子が動き回っている状態で、雷などの放電現象を指し示すことが多いです。実際、雷のように空気中を電気で光らせるには大量のエネルギーが必要になるのですが、例えば管のようなものに電気を通しやすいガスを詰めると、わずかな電気でもまばゆく光らせることができます。この仕組みで作られているのが蛍光灯です。夜空を彩るオーロラも、私たちを照らしてくれます。実は、このオーロラも、宇宙から降りそそぐプラズマ粒子が作り出しています。

進む医療や農業への応用

テレビや空気清浄機といった電化製品に使われる技術という印象の強いプラズマですが、2000年代後半からは医療への応用が試みられるようになりました。プラズマを照射した際に発生する粒子が、活性酸素を生成、あるいは分解するなどの効果が認められるようになったからです。殺菌効果も高いため、隅々まで殺菌することが難しい虫歯の治療や、歯のホワイトニングなどに使えるのではないかと考えられています。
さらに、高い殺菌効果を農業に生かせば、農作物を腐りにくくできます。この場合、農作物の洗浄に大量の水や薬剤を使わずに済むというメリットもあるため、安全性のランクが一段階上がる可能性もあります。ほかにも、傷の回復が早くなる、特定の病気を治療するなど、さまざまな実験結果が得られています。

詳しいメカニズムは未解明

プラズマを照射した際に発生する粒子の性質はほぼわかっています。しかしこうした効果に至る詳しいメカニズムは解明されていません。実用の際にも、大気中の温度や湿度の状態によりどう変わるのか、あるいは生き物に粒子が接触したときにどう反応しているかなど、仮説を立て、結果と照らし合わせなければならないことはたくさんあります。これらについてきちんと理論を確立できれば、よりプラズマを生活に役立てられることでしょう。

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先生情報 / 大学情報

成蹊大学 理工学部 理工学科 教授 村上 朝之 先生

成蹊大学 理工学部 理工学科 教授 村上 朝之 先生

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プラズマ理工学、電気電子工学、応用物理学

メッセージ

どんな物事に取り組んでも、障害にぶつかりうまくいかないことはあります。そういうときは、ほかのことをしながら解決法を考え続けるとよいでしょう。常に頭の片隅に置いておくことで、ふとしたことが解決のヒントになることがあります。それは決して神様がアイデアをくれるわけではなく、あなたが日々積み重ねてきた知識が組み合わさり生まれてくるものです。
ですから、いつも新しい知識を得ようとする姿勢が大事ですし、時には自分と違う考え方をする人と話すこともいい刺激になるでしょう。

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