デザインを変えて機能もアップ! 身近なものをさらに便利に
機能を形にするプロダクトデザイン
「プロダクトデザイン」とは、道具や機器、生活用品などの幅広い工業製品に対して、形や機能を考えて商品として販売できるようデザインするものです。まだ世の中にないものを作り出す、すでにある製品をより使いやすくするなど、さまざまな目的を達成するには、形や素材、構造や仕組みを工夫することが必要です。例えばクッションというのは正方形単体のものが普通ですが、三つに部屋を仕切って折り曲がる構造に変えると、座ったときに背中のカーブに沿ってフィットし腰を支える機能がアップします。また従来のスポンジ素材ではなく、衝撃を吸収する「低反発ウレタンフォーム」を使うと、より安定した座り心地が実現します。
変化することも重要
より機能的な製品を追究していくと、使用状況に応じて形を変化させることも一つの鍵になります。例えば、折りたたみ自転車のように、使うときは広がり、使わないときはコンパクトに収納できるものは、現在の日本の住宅事情に合ったものです。また、人間の体は部位によって構造が違いますし、動くと形が変わります。その形や動きに合わせて道具を変えてみるという発想も重要です。また変形すること自体が、見た目にインパクトを与え、商品としての訴求効果が上がるというメリットもあります。
価格やタイミングの制約
プロダクトデザインは、生産ラインにのって製造され、流通することが前提です。いくら素晴らしい機能をもっていたとしても、高価な素材を使って価格が高くなりすぎると買ってもらえません。既存の製品に新しい機能をプラスした分、価格が高くなってしまった場合、消費者が価格に見合う機能だと判断してくれれば売れるものとなりますが、この見極めが大事です。また新商品の開発は企業の利益に直結するので、工場での生産スケジュールや発売のタイミングに合わせることも要求されます。
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先生情報 / 大学情報
千葉工業大学 創造工学部 デザイン科学科 教授 松崎 元 先生
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