意見やアイデアを出しやすい「場」とは、どんな場所なの?

意見やアイデアを出しやすい「場」とは、どんな場所なの?

多様な意見や視点から新しいアイデアが生まれる

地域課題の解決において、鍵となるのは対話とデザインです。地域課題は地域コミュニティの人々だけでは解決が難しく、新たな意見や視点が必要になる場合が多く、いつもの人々だけでなく地域コミュニティ内外から新しい人々を加えて検討していく必要があります。多様な人々が参加することによって、新たなアイデアが生まれてくる反面、アイデアがまとまらないことも増えます。そこで対話の質を高める必要があります。

日本人になじみやすい対話の「場」

近年「フューチャーセンター(以下FC)」という未来について考えるための施設ができています。新しい考えを生み出すための施設ですから、発言しやすく、未来志向のアイデアが浮かびやすい空間であることが求められます。ヨーロッパでは非日常空間であることを強調するFCが多いですが、日本では、対話の「場」に求める雰囲気が異なります。日本では外から内部がのぞき込めるようなFCやまちの人にも馴染みのある建物の一室に設置されるFCが増えつつあります。非日常空間よりも、その場所の持つ意味やなじみ具合により、意見の出やすさが異なるというわけです。発表、議論、討論ではなく、対話のできる「場」となるのです。

デザインを活用し地域課題の解決へ

最近、専門的知識が必要な地域課題解決の検討に、地域コミュニティの意見を取り入れる場面が増えました。特に、公共建築の計画や都市の再開発など、「作る側」と「利用する側」とが異なる場合は、利用者側の意見を効果的に反映させたかどうかが、成否を分ける鍵となります。そこでデザインが必要となります。ここでのデザインとは、絵が上手いことではなく、情報をわかりやすく整理し伝え、共感と次への行動を生むということです。専門性の高い内容の検討の際にも対話し、デザインを活用して解決案を洗練させていくことで、地域コミュニティの意見を形だけ取り入れるのではなく、本質的に生かすことのできる社会が実現し、地域課題の解決が円滑に進んでいくのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

広島修道大学 国際コミュニティ学部 地域行政学科 准教授 木原 一郎 先生

広島修道大学 国際コミュニティ学部 地域行政学科 准教授 木原 一郎 先生

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都市計画学、コミュニティデザイン

先生が目指すSDGs

メッセージ

あなたは自分の住むまちに魅力を感じていますか? 気になる行政の取り組みや地域イベントなどはありますか? 大学生になるとグッと行動範囲が広がり、金銭感覚や趣味・嗜好も変わります。生活スタイルが変われば、「まち」の見え方もずいぶん変わります。だからこそ、高校時代に感じた「まちの魅力」を、特に何気なく見ている自分の育ったまちについてしっかり覚えておくことが大切です。
もしあなたがまちづくりに関わるような職種をめざしているなら特に、10代で感じたまちの魅力は、将来多様な考え方を生む「材料」になります。

先生への質問

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広島修道大学では平成22年度「大学生の就業力育成支援事業」に選定されるなど、学部での学びはもちろんのこと、学生一人ひとりの自己実現をバックアップするさまざまな取り組みを行っています。
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