直線や平面は空想の産物? 数学の世界では4次元も存在する?
直線、平面の位置関係を考える
平面の中に2本の直線を引くと、その位置関係は「交わる」「平行で交わらない」「ぴったり重なる」の3種類で、最も多く起こるのは「交わる」です。空間の中の2つの直線についても「交わる」「交わらない」「重なる」の3種類ですが、「交わらない」が最も起こります。空間の中に直線と平面を置いてみると、「交わらない」はほぼ起こらず、「1点で交わる」が最も起こります。では空間の中に平面を2枚持ってきたらどうでしょう? この場合「交わる」が最も起こりますが、交わった部分は点でなく直線になります。
4次元空間に平面2つを持ってくると?
直線は1次元、平面は2次元、空間は3次元と言われます。2次元の平面の中で、1次元の直線を2個持ってきたら、1点でぶつかります。3次元の空間の中で、1次元の直線を2つ持ってきても、交わらないケースが最も多いですが、一つを2次元の平面、もう一つを直線にしたら、1点で交わるケースが最も多く起こります。平面同士が空間の中で1点で交わることはありません。それぞれの次元の関係は1+1=2、1+1≠3、1+2=3、2+2≠3となっています。つまり、全体の次元にぴったり合うときに1点で交わっています。
4次元の空間に2枚の平面を持ってくることを空想してみます。2+2=4ですから、きっと「1点で交わる」はずです。この一見奇妙な現象も数式を使えばとても簡単に説明できます。
「数学の世界」?
3次元空間はxyz という3つの数で表されます。成分を一つ増やしてxyzwで表されるものを4次元と呼ぶのです。そんなものほんとに存在するの?と思うかもしれません。では1次元の「直線」は本当に存在するでしょうか? まっすぐな線を考えても、宇宙の果てまで追いかけて途中で切れていたらそれは本当の意味の直線ではありません。「直線」は実は数学の世界の住人なのかもしれません。そう考えると、4次元のものが数学の世界に存在することもそれほど不思議でないと思えてくるでしょう。
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日本女子大学 理学部 数物情報科学科 准教授 藤田 玄 先生
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