解けたら賞金1億円! 数学史上最大の難問、リーマン予想とは?
天才数学者たちの挑戦を退けてきた難問
数学の世界には、何世紀にもわたって未解決のまま残されている問題が、今でも数多くあります。それらの中でも証明するのが非常に難しいと考えられている重要な問題が、「リーマン予想」と呼ばれるものです。19世紀にドイツの数学者ベルンハルト・リーマンが提唱したこの予想に対し、これまで数多の天才数学者たちが人生を賭けた挑戦を続けてきましたが、完全な証明には未だに誰も成功していません。アメリカのクレイ数学研究所では、リーマン予想を解決した人に1億円の賞金を用意しているほどです。
素数の分布には、実は規則性がある?
リーマン予想を数学的な表現で言い表すと、「ゼータ関数の自明でないゼロ点はその実部がすべて1/2の直線上にある」となります。非常に難しい内容ですが、これが証明されると、素数に関する重要な問題が解決できる可能性が出てきます。
素数は、「1とそれ自体以外に正の約数を持たない自然数」です。2、3、5、7、11、13、17……と、何の規則性も持たず無秩序に出現しているようにしか思えない素数ですが、リーマン予想が解明されると、こうした素数がどのような規則性に基づいて分布しているのかを導き出せるのでは、と考えられているのです。
リーマン予想が解明されると、社会はどうなる?
リーマン予想が解決されると、社会にもさまざまな影響が及ぶ可能性があります。現在、インターネット上での情報のやりとりに使われている暗号化技術には、非常に大きな桁数の素数の情報が用いられていますが、素数の分布の規則性がリーマン予想の解明によって明らかになれば、もしかすると、そうした暗号化技術の安全性も脅かされるかもしれません。その一方で、リーマン予想が解明されると、素粒子理論などこの世界や宇宙そのものの仕組みを明らかにする手助けになるのでは、とも考えられています。
いつの日か、この史上最大の難問を解明する人が現れるのかもしれません。
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