政府、企業に次ぐ「第3のセクター」、非営利組織って何?
NPO法人やボランティアだけじゃない非営利組織
ボランティア活動やNPO法人(Nonprofit Organization:特定非営利団体)の取り組みなどを通じて、社会の役に立ちたいという若者たちが増えています。そして実際に、阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地復興支援でも、高校生や大学生などのボランティアが大活躍しました。しかし、民間の立場で社会的な活動を行う非営利の組織は、NPO法人やボランティア組織だけに限りません。明治以降に誕生した公益法人や社団法人、そして老人ホームや保育所、児童養護施設などの社会福祉法人、さらに学校法人や宗教法人なども、非営利の組織なのです。
民間でありながら公益活動を行い、利益配分しない
こうした非営利法人や組織は、政府、企業に並ぶ、重要な「第3のセクター」として位置づけられます。そして、非営利組織の第一の定義は「民間の立場で社会の役に立つ公益活動を行うこと」であり、「収益を追求せず、利益を配分しないこと」です。また、設立時の出資金や寄付金も返還されることはありません。1998年に誕生した特定非営利活動促進法に基づくNPO法人ばかりが注目されがちですが、こうした民間の人々がお互いに助け合い、社会のために活動を行うことには、長い歴史とさまざまな事例があります。
社会を変えていく「スパイス」として
NPO法人やボランティア活動について、ニュースで取り上げられることが増えたり、人々の関心が高まったりしている背景には、お金儲けだけを追求する社会や、硬直した政府・行政に対する疑問があるからとも言えるでしょう。NPO法人の数や携わっている人たちは、一般の民間企業やそのほかの非営利組織などと比較すれば、ほんのわずかにすぎません。しかし、人が持つ助け合いの精神によって社会を活性化するスパイスのような存在として、これからの日本社会を支え、新しい社会を創っていくことが期待されています。
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