「コミュ力」ってなんだろう?
企業が学生に求めるコミュニケーション能力とは?
いま企業が学生に求めているのは「コミュ力」だと言われています。ではその「コミュ力」とは、どんなものなのでしょうか? ひとくちにコミュ力といっても、A社では「お客様とのコミュ力」が、B社では「患者さんとのコミュ力」といったように、各分野によって必要なスキルが異なります。そこで、各業界の企業人のコミュニケーションスキルを臨床心理学の観点から分析してみると、次のような共通点が浮かび上がってきました。「質問する力」「理解する力」「表現力」「雑談力」という4つのポイントです。
コミュニケーションの流れをつかむ
こんなトレーニングをしてみました。学生たちに繰り返し疑似面接を行い、4つのポイントを意識しながら変化を観察し、コミュニケーションスキルの訓練をしたのです。先にあげた4つのポイントに基づいて言えば、質問をするということは、話をちゃんと聞いていること、つまり理解する力の証明となります。また、わからないことを聞くだけでなく、適切な質問をすることが必要です。初対面の相手とコミュニケーションを取るには「雑談をすること」は非常に重要で、雑談の中から相手の特徴や傾向、考えなどをくみとり、質問に生かすことも多々あります。
批判にうまく対処する
トレーニングの結果、学生たちは「いやな話からすぐ逃げたがる」「批判された時の対処がわからない」ということがわかりました。日本人は批判を受けること、何かを批判することが苦手です。しかし適切な自己主張を行うためには批判と闘うか、いなすかを判断し対処することが必要不可欠です。
雑談から始まり、わからない部分を質問し、相手を理解していくことを繰り返すことでコミュ力がつきます。実際にトレーニングをした学生たちは、トレーニング前に比べてコミュニケーションスキルがアップしていました。実戦的な訓練の中で見えてきた問題点をひもとき改善していくことで、「企業が求めるコミュ力」が身につくのです。
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先生情報 / 大学情報
札幌学院大学 心理学部 臨床心理学科 教授 佐野 友泰 先生
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