子どもたち自身の学びを作り出す、保育のあるべき姿とは?
「保育」は広い意味での「教育」
幼い子どもに対する「保育」とは、広い意味での「教育」と考えることができます。例えば、ごく幼い赤ちゃんにミルクを飲ませる時、優しい目線を注いであげたり、「おいしいね。おなかいっぱいになった?」といった言葉をかけてあげたりすることも、その子に対する一種の教育になります。
「教育とは教える人がいて初めて成り立つもの」という発想にとらわれる必要はありません。身近な遊びなどを通じて教える人がいなくても、子どもたち自身が学びを作り出していく、そうした状況を作ってあげることが保育では求められているのです。
細かな狙いを丁寧に作り続けていく
ある物事に対して子どもたちに興味を持ってもらいたい時、先生の側から一方的に設定しようとすると、興味の持ち方がバラついてしまいがちです。その時の子どもたちがどんな状況か、どうやってさりげなく工夫して子どもの関心をひき、それをほかの子どもたちに波及させるかを考える必要があります。目線や姿勢などからその時々の子どもたちの気持ちを読み取り、その後の行動を予測して、最適な方法やタイミングを吟味しなければなりません。子どもたち自身による学びの機会を生み出すために細かな狙いを丁寧に作り続けていくことは、保育士にとって大切な役割の一つです。
大変だけど、それが保育の面白さ
保育の世界には、人間に関心のある人、ほかの人の気持ちを敏感に感じ取れる人が向いています。子どもたちに振り回されて予定通りに物事が進まないような時でも、その先にある大きな目標に対してぶれることなく進んでいけることが求められます。
実際に保育の現場で活躍している保育士は、さまざまな工夫をしながら日々の努力を続けています。子どもたちを常に見守りながら、きめ細かな調整をして子どもたちの学びを作り出していくことは、大変で責任の重い仕事です。しかし、それこそが保育の面白さであり、やりがいでもあるのです。
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