心理学で教員をサポート! 児童・生徒を深く理解するには
求められる児童生徒理解
教育現場にはさまざまな背景を持つ子どもがいます。子どもたちが抱えている事情が多様化したため、一人一人を理解することに難しさを感じている教員も多くいます。より深い児童生徒理解のために、教育現場では教員が児童や生徒の性格を把握しようと試みています。心理学の知見を用いて性格を適切にとらえることができれば、教員が子どもたちの思考や悩みに寄り添いやすくなるかもしれません。
他人から見える自分の性格は?
例えばパーソナリティ心理学には、性格を理解するための「特性論」という手法があります。言葉を使ってその人の性格を表現する方法です。日本語の辞書には性格を表す形容詞や擬態語などが何百語も収録されています。そのため「明るい人」、「ふわふわした人」など、さまざまな言葉で人の性格を表すことが可能です。もし自分自身を表す言葉と、他者からの判断の言葉が一致していれば、その人の性格を正しく認知できている可能性が高いと考えられます。
ただし、判断する人と判断される人との信頼関係によって、性格理解の精度が左右されてしまうことが課題です。例えば「この先生とは話しやすいけれど、ほかの先生には自分のことを話せない」と感じている児童や生徒もいます。また、複数の教員がAさんという元気な生徒を見たときに「元気でいい子」と表す人もいれば、「うるさくて騒がしい」と表現する人もいるかもしれません。どのようにしたら性格を適切にとらえることができるのか、対人認知の研究が続けられています。
言葉の意味を考える
性格を表す言葉の使い方も、より細かく考えることが求められています。例えば「やばい」や「すごい」という言葉があります。「やばい人」、「すごい人」と表現するとき、プラスイメージで使う人もいればマイナスの意味合いで使う人もいるでしょう。実際にはどちらの意味で使われることが多いのか、世代によって意味合いは変化するのかなど、さらなる研究が試みられています。
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