講義No.06389 教育 児童学

担任の先生の、大切な仕事ってなんだろう?

担任の先生の、大切な仕事ってなんだろう?

授業は先生の仕事の何%?

小学校の学級担任の仕事のうち、授業とその準備や採点業務も含む学習指導の占める割合は50%くらいです。あとの半分は、生活指導や学級活動、特別活動、研修、会議、PTAなどです。さらに教員の仕事で特別なのは、一年目であってもいきなり担任として現場に立つことです。大学の教員養成課程で、学級担任の仕事を具体的に教えるべきだという考え方が少しずつ広まっています。しかし、具体的な授業のある大学は極めて少ないです。

指導の中心は「恐怖」から「興味」へ

「忘れ物をするな」と叱られたことはありませんか? 先生は、かけ算ができなければできるように、泳げなければ泳げるように指導するのに、なぜ忘れ物は「命令」だけなのでしょう。それは、先生自身が指導方法を知らないからです。「恐怖(命令)」で指導をすれば子どもは動く、という考え方は、バブル崩壊を境に変わってきました。
今は「興味」がキーワードです。子どもは興味を持ったら、必ず何かアクションを起こします。うつむいて話を聞いていた子が顔を上げてこちらを見たり、「うぜぇな~」という一言を発しないと勉強を始めない子もいます。子どもたちの言動をよく観察し、その意味を正しく理解するのは先生の重要な仕事の一つです。

教材は教科書だけではない

子どもたちが興味を持つものの中に、優れた学習内容が隠れていることがあります。サッカーは身体のバランス感覚を高めますし、ゲームの攻略本には「召喚」などの難しい漢字が並んでいます。勉強が嫌いな中学生に運転免許の教本を渡したら、漢字が読めるようになったケースもあります。
勉強ができる子どもにばかり光が当たると、ほかの子たちは陰に隠れてしまいます。それはその子の人生にとっても、社会にとっても大きな損失です。教員には今の貧困を解決する力はありませんが、子どもが将来、豊かな生活ができるように学力をつけてあげることはできます。学生が先生になるということは、守られる側から守る側になることなのです。子どもを大人に育てる側に回るのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

京都橘大学 発達教育学部 児童教育学科 教授 池田 修 先生

京都橘大学 発達教育学部 児童教育学科 教授 池田 修 先生

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児童教育学、教育学

メッセージ

小学校の先生になりたいと思っているあなた。京都橘大学で、本気でめざしませんか。本学の教員には、もともと小学校や中学校の先生をしていた人たちが大勢います。教育はとても領域が広いので、幅広い専門性を身につけること、深く学び続ける探究心が必要です。「子どもとはどんな存在か」「発達とは何か」を学ぶ必要がある一方で、実際に子どもたちに向かって担任として指導する、その力をつけることも重要です。本学には、それらを教える学級担任論という講義もあります。このチャンスを逃さず、ぜひ本学で学んでください。

京都橘大学に関心を持ったあなたは

京都橘大学は、「自立」「共生」、実践的な教育をめざす「臨床の知」を教学理念に掲げる総合大学です。
2021年4月には、国際・人文・教育・社会・医療系に工学系の学びを加え、さらに2023年4月には総合心理学部を開設し、9学部15学科の文理多彩な総合大学へ進化しました。一拠点総合大学の強みをさらに発展させ、さまざまな夢をもつ多くの仲間と出会い、新時代に対応できる力を養います。
京都・山科の緑豊かな自然を背景に、オレンジタイルで統一された瀟洒(しょうしゃ)な学舎が、豊かな学びの空間を演出しています。