担任の先生の、大切な仕事ってなんだろう?
授業は先生の仕事の何%?
小学校の学級担任の仕事のうち、授業とその準備や採点業務も含む学習指導の占める割合は50%くらいです。あとの半分は、生活指導や学級活動、特別活動、研修、会議、PTAなどです。さらに教員の仕事で特別なのは、一年目であってもいきなり担任として現場に立つことです。大学の教員養成課程で、学級担任の仕事を具体的に教えるべきだという考え方が少しずつ広まっています。しかし、具体的な授業のある大学は極めて少ないです。
指導の中心は「恐怖」から「興味」へ
「忘れ物をするな」と叱られたことはありませんか? 先生は、かけ算ができなければできるように、泳げなければ泳げるように指導するのに、なぜ忘れ物は「命令」だけなのでしょう。それは、先生自身が指導方法を知らないからです。「恐怖(命令)」で指導をすれば子どもは動く、という考え方は、バブル崩壊を境に変わってきました。
今は「興味」がキーワードです。子どもは興味を持ったら、必ず何かアクションを起こします。うつむいて話を聞いていた子が顔を上げてこちらを見たり、「うぜぇな~」という一言を発しないと勉強を始めない子もいます。子どもたちの言動をよく観察し、その意味を正しく理解するのは先生の重要な仕事の一つです。
教材は教科書だけではない
子どもたちが興味を持つものの中に、優れた学習内容が隠れていることがあります。サッカーは身体のバランス感覚を高めますし、ゲームの攻略本には「召喚」などの難しい漢字が並んでいます。勉強が嫌いな中学生に運転免許の教本を渡したら、漢字が読めるようになったケースもあります。
勉強ができる子どもにばかり光が当たると、ほかの子たちは陰に隠れてしまいます。それはその子の人生にとっても、社会にとっても大きな損失です。教員には今の貧困を解決する力はありませんが、子どもが将来、豊かな生活ができるように学力をつけてあげることはできます。学生が先生になるということは、守られる側から守る側になることなのです。子どもを大人に育てる側に回るのです。
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