講義No.13426 児童学 教育

子どもが主体として生きるために、保育で必要なこととは

子どもが主体として生きるために、保育で必要なこととは

人生を力強く、そして幸せに生きる人へ

乳幼児期は、人格形成の基礎を培う大切な時期です。興味をもったことに楽しく遊び込む経験やさまざまな人と関わりを喜ぶ経験はもちろん、何かに挑戦して失敗したり、誰かとけんかしたりといった葛藤やつまずきを伴う経験も、その子が大人になったときに自分の人生を力強く生き抜く糧となるのです。これからの時代を生きる子どもたちが、自分を取り巻く環境の中で“生かされている”幸せを感じ、人生を力強く生き抜くためにも、乳幼児期から一人ひとりの子どもが主体として生きることを支えることが欠かせません。

子どもと共に保育を創ることを愉しむ

保育者は子ども一人ひとりの興味・関心をしっかりと理解し、保育者のねらいや願いを込めながら、子どもに応じた支援や環境構成を行うという意味においては、子どもと共に保育を創ることが大切であり、愉しい営みでもあります。例えば、竜が登場する絵本の読み聞かせをしたとします。想像力が刺激された子どもたちの会話や行動を否定することなく、みんなと一緒になって竜を探す探検ごっこをしたり、竜に手紙を書いたりするなど、子どもと共に保育を創ることで、子どもの感性・創造性や協同性、そして何より主体的・対話的に物事に取り組む意欲を育むことにつながります。

大切なのは「見守る、待つ、聴く」という姿勢

子どもの自己発揮の在りようは、一人ひとりで大きく異なります。自分を積極的に表現できる子どももいれば、表面的な行動からは見えづらい心の揺れ動きを抱いている子どももいます。そのため保育者は、子どもが何を感じ、何を考えているのかをじっくりと見極めようとする「見守る、待つ、聴く」という姿勢を持つことが大切です。そのことを通して、子どもに応じた支援の在り方を考えることができます。そして、何よりも一人ひとりの子どもの成長しようとする姿にふれ、子どもから学ぶことの大切さや、子どもと共に在ることの喜びを実感することができるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

福山市立大学 教育学部 児童教育学科 教授 池田 明子 先生

福山市立大学 教育学部 児童教育学科 教授 池田 明子 先生

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保育学、幼児教育

メッセージ

もしあなたが保育者を志しているのなら、今のうちから主体的にさまざまなことに挑戦してみましょう。自分がやりたいと感じることに積極的にチャレンジする中で、子どもの世界を理解し、一緒になってその世界を楽しめるような感性や知性を育てることができます。そして、友人と過ごす時間も大切にしてください。その中で学んだ「相手を理解し、尊重する姿勢」や「コミュニケーションの取り方」は、いつか現場に立ったときに、大いに役立つことでしょう。ぜひ充実した高校生活を送ってください。

福山市立大学に関心を持ったあなたは

福山市立大学は、福山市が設置する公立大学、4学期制による効果的な履修、4年間を通じた少人数参加型授業や、街と一体となったキャンパスを拠点に、福山市全体をフィールドとした体験型授業の充実が特色です。公立大学の特色を生かし、教育学部では地域の教育・保育施設との連携により実践力のある教育者・保育者を目指します。都市経営学部は全国初の学際的な学部で、環境を基盤として工学系、経済学系、社会学系の3つの領域を総合的に学び、持続的な都市社会の発展を担える人材を育成します。