子どもが主体として生きるために、保育で必要なこととは
人生を力強く、そして幸せに生きる人へ
乳幼児期は、人格形成の基礎を培う大切な時期です。興味をもったことに楽しく遊び込む経験やさまざまな人と関わりを喜ぶ経験はもちろん、何かに挑戦して失敗したり、誰かとけんかしたりといった葛藤やつまずきを伴う経験も、その子が大人になったときに自分の人生を力強く生き抜く糧となるのです。これからの時代を生きる子どもたちが、自分を取り巻く環境の中で“生かされている”幸せを感じ、人生を力強く生き抜くためにも、乳幼児期から一人ひとりの子どもが主体として生きることを支えることが欠かせません。
子どもと共に保育を創ることを愉しむ
保育者は子ども一人ひとりの興味・関心をしっかりと理解し、保育者のねらいや願いを込めながら、子どもに応じた支援や環境構成を行うという意味においては、子どもと共に保育を創ることが大切であり、愉しい営みでもあります。例えば、竜が登場する絵本の読み聞かせをしたとします。想像力が刺激された子どもたちの会話や行動を否定することなく、みんなと一緒になって竜を探す探検ごっこをしたり、竜に手紙を書いたりするなど、子どもと共に保育を創ることで、子どもの感性・創造性や協同性、そして何より主体的・対話的に物事に取り組む意欲を育むことにつながります。
大切なのは「見守る、待つ、聴く」という姿勢
子どもの自己発揮の在りようは、一人ひとりで大きく異なります。自分を積極的に表現できる子どももいれば、表面的な行動からは見えづらい心の揺れ動きを抱いている子どももいます。そのため保育者は、子どもが何を感じ、何を考えているのかをじっくりと見極めようとする「見守る、待つ、聴く」という姿勢を持つことが大切です。そのことを通して、子どもに応じた支援の在り方を考えることができます。そして、何よりも一人ひとりの子どもの成長しようとする姿にふれ、子どもから学ぶことの大切さや、子どもと共に在ることの喜びを実感することができるのです。
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