幼児教育は子どもたちの無限の力を育てるクリエイティブ・ワーク
幼児教育は楽しくって楽ちん!?
テレビドラマの幼稚園のシーンでは、先生のピアノに合わせてみんなで楽しくお歌を歌い、お遊戯をしています。もしかして「幼稚園の先生って楽そう?」と思う人がいるかもしれません。ところが、楽しいけれどそんなに楽ではないのです。就学前の子どもの保育は、想像以上にさまざまな要素を含んでいます。平成元年に文部省(現在の文部科学省)により改訂された幼稚園教育要領では、幼稚園教育の目標として「基本的な生活習慣・態度」「自立と協同の態度」「自然などへの興味や関心」「言葉への興味や関心」「豊かな感性と創造性」など5つの領域を育むことが掲げられています。
保育者が毎日の活動をプロデュース
保育者は、この目標に沿って創意工夫を重ねています。幼稚園には小学校と違い、明確なカリキュラムや時間割りがありません。園では子どもたちの発達や関心に応じて、絵本の読み聞かせ、ものづくり、協力遊びや運動遊びなど、いろいろな活動のプランを立てます。すべり台なら3歳児は先生とすべるだけで楽しいですが、5歳児にもなると仲間と楽しむ冒険ゲームに発展させるなどの工夫が必要です。保育者は発達についての知識をベースに子どもたちの個性を見極め、どんな教材や空間を使うか考え、保育者自身の手でそれらを準備して保育に臨みます。いわば保育者は毎日の保育活動のプロデューサーなのです。
常に子どもたちのパワーを引き出す視点で
子どもたちにとって、すべてのものは創造力を育む格好の教材です。初めはものをさわって遊ぶだけの赤ちゃんも、やがてはものを何かに見立てて遊びだし、ものを通じて先生や友だちと交流しながら遊べるようになります。保育者はものと子どもや、ものを通じて生まれる子ども同士の関係を考慮しながら、子どもたちの創造的なパワーを引き出せるように保育室の環境を絶えず変化させていきます。とても大変な作業ですが、保育は子どもたちが生きていく土台を育む、すばらしいクリエイティブ・ワークなのです。
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