子どもたちみんなが「できる・わかる」方法が、きっとある
「学校の先生になる」だけじゃない教育学
「小学校や特別支援学校の子どもたちとかかわりたい」と、教育学部をめざす学生は多くいますが、実は教育学はとても幅広く、「教育現場を支える」ための研究もあります。例えば、客観的に「子どもにはどんな力があるのか」を調べる研究、つまずきのある子どもにわかりやすい授業の研究、子どもの特性に合わせた指導法、また心理学等の別の学問の研究とつながっていくものもあります。
特別支援教育の中でも発達障害の分野では、心理検査などの分析から子どもへの支援、そして学校や家庭への効果的な支援にどうつなげるか、学校の先生や保護者にどう提示するかといった研究も行われています。
求められる「多様な子どもたちへの支援」
特に学校教育の中では、自閉的傾向にある子どもの社会的適応のつまずきに視点をあて、客観的な検査を融合して、支援の方針を導くものが少ない状況にありました。そこで社会的適応をみる最新の検査と、本人の特性をみていく検査とを関連させ、実態を把握し、その子どもが社会的適応に関してつまずいている部分へ具体的支援の提案が進められています。
学校の先生や保護者の気づきから早期発見につながり、診断される子どもの数も増えています。また、今、学校教育の現場では、障害の有無にかかわらず、みんなが同じ場で共に学ぶ「インクルーシブ教育システム」の構築をめざしています。そのため、特別支援教育の研究では「1対1の適切な支援」だけではなく、「多様な子どもたちのいる学級の支援」として何ができるかというところまで求められています。
障害のある人とない人との垣根はない
障害は「持っている」のではなく、社会との間で「大きな壁」になった時に初めて障害が「ある」と考えることが大切です。誰もが社会の中で生きていくのに、いろいろな困難を抱えたり悩んだりすることはあります。「壁」を前に困っている人がいたら「あぁ、自分にも似たような困難はある」と相手の気持ちに寄り添うだけで、みんなが生きやすい社会に一歩近づくのです。
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先生情報 / 大学情報
帝京平成大学 人文社会学部 児童学科 小学校・特別支援コース 准教授 鶴田 敦司 先生
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