子どもの成長にさまざまな角度から触れて「学ぶ」

子どもの成長にさまざまな角度から触れて「学ぶ」

保育ドキュメンテーション

保育に携わる人材の教育現場においては、実習前に「保育ドキュメンテーション」を使った指導を行うことがあります。保育ドキュメンテーションとは、子どもの活動を動画や写真、テキストなどで記録したものであり、これにより子どものさまざまな活動や思考を分析でき、いろいろな人と共有できます。特に、0歳から2歳までの乳児保育においては対象となる子どもが小さいため、学生によっては子どもや現場のイメージをつかみ難いことがあります。事前に保育ドキュメンテーションを見ながら保育士の解説を聞くことで、子どもの気持ち、保育士の援助の意図など、保育への理解が深まります。

まねる力

乳児の発達は一人一人進んでいくものと思われるかもしれません。しかし保育現場を細かく見ると、子どもたちが互いに影響し合いながら発達していることに気付きます。例えば0歳児であっても、月齢の低い子は高い子どもの行動をまねします。乳児向けの「うんてい」でのつかまり立ちや登ろうと足を上げる姿、また絵本を舐めずに、「めくって見る物」と認識して扱っている姿は、目を見張るものがあります。「見てまねる力」は発達のための重要な原動力となります。

おもちゃづくり

また日本の保育現場では、乳児向けのおもちゃや遊具を保育士がつくることが多いです。例えば牛乳パックなどの廃材でつくる遊具は、高級な木製品に見劣りするように感じます。しかし木製よりも柔らかいため安心感があります。そして何より保育士がつくることで、子どもの個別のニーズに応えつつ危険回避をしやすいというメリットがあります。子どもたちがそのようなおもちゃに夢中になったり、予想外の遊び方をし始めたり、共感を求めたりすることは、保育士にとっても楽しく発見の多い経験となります。
子どもたちのさまざまな成長に触れられるドキュメンテーションと、子どもの発達に合わせたおもちゃづくりについて学ぶことは、保育士が子どもと共に楽しみつつ、より質の高い保育を実践するために意義があります。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

東洋英和女学院大学 人間科学部 保育子ども学科 准教授 星 順子 先生

東洋英和女学院大学 人間科学部 保育子ども学科 准教授 星 順子 先生

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保育学、乳児保育

メッセージ

あなたが将来保育や子どもに関わる分野に進みたいのであれば、今のうちから子どもに接する機会を意識的に増やしましょう。例えば近所に保育園があるなら見学を申し込んでみましょう。公園があれば、配慮は必要ですが、子どもたちと触れ合うことはできるでしょう。こうして直接的に子どもに接してみると、子どもたちがもつ驚くほどのパワーを感じられると思います。大人が子どもに教えるというよりも、一緒に楽しみながら、大人がパワーをもらえることも、保育に携わる大きな魅力だと思います。

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