「急性期看護」で患者さんを支えるために必要なこととは?
急性期の患者さんへの看護援助
「急性期看護」は、身体機能が著しく低下した生命危機状態にある患者さんの看護援助も含まれており、先端医療のテクノロジーとも密接な関わりがある領域です。看護師は、迅速で適切な医療介入が必要な患者さんが、安全・安楽に治療を受けられるよう、そして順調に回復できるように、患者さんに起こっていることと、起こるであろうことを予測しながら、援助を展開していきます。
どこでどう「介入」するかの判断が大切
手術のあとの早期離床(術後、できるだけ早く体を起こし、座り、立ち、歩くこと)の流れはすっかり定着しています。看護師も医師の治療方針に基づき、退院というゴールに向けて、短期間で周到な事前準備をしながら、ほかの専門職と連携して取り組みます。その中で患者さんや家族の話をよく聞き、より良い意思決定ができるよう、適切な「介入(患者さんの必要性を満たし、より安楽な状態をつくり、自立に向かえるようにすること)」も行っていかなければなりません。
看護師は技術中心に思われがちですが、知識も技術も、思考力や判断力があってこそ的確に使えます。ですから看護教育では、いわゆるクリティカル・シンキング(批判的思考:ものごとを鵜呑みにせず、自分の頭できちんと考えること)が昔から取り入れられています。
身体の中で起きていることと体験を一致させる
入院も手術も、患者さんそれぞれに状況が違っています。手術をすると一時的に身体機能が低下したり、切除などで通常通りの機能が発揮できなかったりします。患者さんは身体で起こっていることが原因で、自分がしようと思ってもできないこともあります。身体の中で起きていることと、患者さんが体感している何ができて何ができないかという体験が一致するよう、専門家として判断して患者さんに伝え、回復を促進する役割が看護師にはあるのです。
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先生情報 / 大学情報
高知県立大学 看護学部 看護学科 教授 大川 宣容 先生
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