講義No.12753 看護学

あらゆるリスクをケアし患者の命を守る、急性期看護人材を育てる

あらゆるリスクをケアし患者の命を守る、急性期看護人材を育てる

成人の急性期看護

医療には回復期や慢性期など、段階別にさまざまな領域があります。病気になりはじめの時期である「急性期」では、容体が安定せず、生死に関わるケースも少なくありません。その看護においては常に万が一の危険性を考えながら、あらゆるリスクを予防するような関わり方が不可欠です。また特に成人の急性期は回復も早く、看護の内容もその都度切り替えなければなりません。そのため、成人の急性期看護を学ぶ学生は実に多くの知識や技能を身につける必要があります。看護教育学の分野では、学生たちの戸惑いや困難を軽減するような急性期看護教育のあり方が研究されています。

リアリティのある教育

そのために有効な手法が、学びの中に「リアリティ」をもたせることです。例えば正しい呼吸について学ぶとき、講義形式で伝えるよりも、学生たちが立ち上がって自ら呼吸動作を行う方法や、グループワーク形式で周囲の学生と教え合う手法もあります。グループワークでは、学んだ内容を「先生はこういう言い方をしていたよね」と、互いに伝えあう効果も見込めます。また演習では、講師があえて間違った状況を作り出し、その間違いを学生に探させる、といった手法もあります。これによって正解は一つではないことを理解し、また学生がもつ発想や考えを引き出すことにもつながります。

医療の変化に対応する

このような教育手法は、学びの定着に関わるとされています。学生へのインタビュー調査では、座学中心の学びでは、「理解したつもり」になっても、後で思い返すことは少なく、身体を使う授業やグループワーク型の授業では、より記憶に残りやすいことがわかっています。
日本では、医療費の増大によって急性期の病院が減り、地域・在宅での医療へとシフトしており、そこに対応できる看護人材が求められています。学生の自主的な参加や発言を促す新しい看護教育の方法は、自分で考え、意見をもち、さまざまな環境に対応できる医療人の育成につながるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

太成学院大学 看護学部 看護学科 講師 河野 円 先生

太成学院大学 看護学部 看護学科 講師 河野 円 先生

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看護学、看護教育学

先生が目指すSDGs

メッセージ

看護師や医療職をめざすなら、「なぜなりたいと思ったのか」という初めに抱いた思いを忘れず、勉強し続けてほしいです。そのぶれない思いこそが、医療人として長く活躍し続けるためには不可欠だからです。本学看護学部では、幅広い医療分野はもちろん、在宅・ボランティアといった地域医療についての教育にも力を入れています。教員との距離感も近く、将来医療の世界で自分がめざすべき役割をじっくりと考えたい人にはぴったりの環境です。ぜひ私たちとともに学びましょう。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

太成学院大学に関心を持ったあなたは

太成学院大学のコンセプトは「学生一人ひとりにそれぞれのサクセスを!」
かなえたいのは、みなさん一人ひとりの色とりどりの成功体験。そのために太成学院大学にはどこまでも学びを深めていける授業の数々や、親身に相談に乗ってくれる教授陣がいます。だから安心して実現したいことをかなえるために、大学で学ぶことの「意味」を理解し、「目標」を持って、「挑戦」してみてください。そうすれば、あなただけの未来を手に入れることができます。