安くて便利な製品を作るカギは、「プログラミング言語」にあり!
世の中を支えるコンピュータ
ゲームやスマートフォン、交通システム、医療システム、音楽や映画のソフト制作など、世の中のあらゆるものが、コンピュータとは切っても切り離せない関係にあります。コンピュータは、現代社会におけるさまざまな製品やシステムを支え、便利にする重要な仕事を担っています。しかし、コンピュータは、ただそこにあるだけで仕事をしてくれるわけではありません。人間が仕事を指示する必要があるのです。
コンピュータに仕事をさせるための言葉
コンピュータに仕事を指示するには、「プログラミング言語」という言葉を用います。例えば、X1からXnまでの整数の和Sを求めさせる場合、「最初に和Sに0を入れなさい。そして、SにXiを足しなさい。iは1からnまでの値を入れて計算を繰り返しなさい」のように言葉で伝えます。このとき、細かく指示を出すより、「X1からXnまでの整数の和Sを計算しなさい」の一言でコンピュータが仕事を理解できるなら、人間の手間が省けます。つまり、コンピュータに効率よく簡単に指示できるプログラミング言語を開発すれば、コストや時間が抑えられるのです。すると、コンピュータを使ったあらゆる製品が安価になり、世の中がもっと便利になるというわけです。
効率よく簡単に伝える言語の研究
プログラミング言語には、数千もの言葉があると言われます。それでも、仕事をより効率よく簡単に指示するための新しいプログラミング言語の開発が求められています。近年、研究が盛んなのが、Googleの検索処理などにも使われる「並列プログラミング」をサポートする言語です。ネットワークに接続した複数のコンピュータに指示を出し、同時に計算させることで、1台のコンピュータに指示を出すよりも速く安価で処理するものです。この処理方法には、本来、複雑なプログラミング言語が必要ですが、より簡単に指示を出すための言葉が、世界中で研究されているのです。
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先生情報 / 大学情報
九州工業大学 情報工学部 情報・通信工学科 准教授 江本 健斗 先生
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コンピュータ科学先生への質問
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