レジが買い物カゴの中身を瞬時に判断! IoT技術で生活を便利に
セルフレジの仕組み
生活をより便利にするためにIoT(モノのインターネット)技術が研究され、実用化されています。例えば衣料品店などで目にするセルフレジです。商品の入ったカゴを置くだけで、中に何が入っているのかを読み取ることができます。商品のひとつひとつに無線通信で読み取ることのできるICタグが貼られているからです。このタグは商品の精算はもちろん、在庫管理に利用することもできます。
セルフレジに対応している値札を光に透かしたり裏返したりすると、中に小さな機械が入っていることに気づくでしょう。これは小型の無線通信用アンテナや回路で、レジから「誰かいませんか」と声をかけられると、各商品が「ここにいます」と応答できるようにしているのです。
タグをもっと便利に使うには?
こうしたIoT技術をより広く利用するためには、水にぬれても問題なく動くように改良する必要があります。もともとは衣料品などに取り付けるために開発された技術なので、水にぬれる環境を想定して作られていません。そのため冷凍食品などに貼り付けた場合、冷凍庫内の水分でタグがぬれて正常に動かなくなってしまいます。
水にぬれても動くタグを研究
低温や水分の多い環境でもタグが正常に動くようになれば、医療用に応用することも可能です。例えば部分入れ歯は2~3cm程度の小さなパーツなので、誤って飲み込んでしまう事例が多く見られ、飲み込んだことにすら気づかないケースもあります。部分入れ歯にタグを取り付けておけば、飲み込んだとしても今どの場所にあるのかを瞬時に確かめることが可能です。水に強い素材でタグをコーティングすれば、水の影響を受けなくなることがわかっていますが、コーティングが分厚くなると、入れ歯のような小さなものには応用できません。そのため、水の影響を前提にした回路が研究されています。影響そのものを防ぐのではなく、回路が湿度や温度などを判断して適切な動作を使い分ける手法を生み出そうとしているのです。
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静岡理工科大学 理工学部 電気電子工学科 准教授 本良 瑞樹 先生
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