講義No.14419 歯学

美しい歯と口元が、豊かな生活とコミュニケーションを育む

美しい歯と口元が、豊かな生活とコミュニケーションを育む

豊かなコミュニケーションを生むもの

健康な歯と整った口内環境があれば、人は食べ物をスムーズにかんだり食べたりできます。また歯は、その人の印象を左右します。きれいにそろった歯は、虫歯トラブルの予防だけでなく、明瞭な発音ではきはきした会話を可能にします。それは周囲に元気な印象を与えるはずです。また白い歯は、健康で清潔で、生き生きとした印象を与えます。周囲の良い反応は、きっと本人に笑顔や自信をもたらします。最近では、歯の治療に用いられるかぶせものや歯に装着する器具は、目立つことのないように歯の色に合わせたものが使われるようになりました。歯や口元の美しさは、豊かなコミュニケーションを生みます。

治療に用いる接着剤

もし治療で歯を削れば、かぶせものをする処置を行います。この時、かぶせる物と歯とをくっつけるために接着剤が使われますが、当然、一般的な接着剤とは違います。人の口の中はいつも湿っていて、食べ物をかんだりすりつぶしたり、また熱いものや冷たいものが流れ込んでくるといった過酷な環境です。そのようなところでもかむ力に負けない強度や、確実に接着し続けられる耐久性が必要です。もちろん、人体に安全な材料でなければなりません。エナメル質や象牙質でできている歯と、ほかの物とを接着させることを「歯質接着」と言います。こうした歯質接着材料の開発はこの40年ほどで飛躍的に進み、口元の美しさを支えています。

子どもから高齢者まで必要とされる

これまでは「虫歯になれば歯医者へ」という考えでした。今は予防のために定期的に通う人も多くなり、各世代に合わせたケアや、口元の美しさをどのように作っていくかという考え方に変わってきています。口内環境は年代によって異なるので、ますます幅広い年代への対応が必要になるでしょう。特に高齢者のかむ、飲む、そして日頃のケアは、健康維持や疾病予防など、命にも関わることです。きめ細やかなケアのために、今後も歯科器具や材料の進歩が期待されています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

日本大学 歯学部 歯学科 教授 宮崎 真至 先生

日本大学 歯学部 歯学科 教授 宮崎 真至 先生

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補綴(ほてつ)系歯学、保存治療系歯学

メッセージ

歯科医は患者さんの口の中を診るだけではありません。口はその人の体の一部であり、体全体とつながっています。例えばしっかりかむ、食べる、明瞭な発音で会話をするという行為は、口内環境が整っていて初めて可能になります。また口元の美しさは、見た目はもちろん、機能性やその人の心理状態にも影響します。つまり、人とのコミュニケーションにおいてとても大切なのです。健康で快適な人々の日常を支えるのが、歯科医の役目です。ぜひ一緒に、歯科を盛り上げていきましょう。

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