マイクとロボットと人工衛星を動かしているシステム
先端技術を支えるシステム
今から挙げるものに共通することは、何だと思いますか?マイク、エレベーター、ロボット、そして人工衛星。大きさや形、用途など、それぞればらばらに見えるこれらの共通点は、すべて「線形システム」によってコントロールされているということです。
線形システムとは、簡単な図で表すと「入力=出力」になるシステムのことです。「入力=出力」とは、何かを「インプットした分」が、「アウトプットの量」にも影響するということです。例えば、マイクに向かって2倍大きな声を出す(入力)と、2倍大きな音が出て(出力)きます。また、エレベーターにおいても、電力の量(入力)を3倍にすれば、それが3倍の速さ(出力)になるでしょう。
これらは、入力=出力の関係が成り立っていることを表しています。ここで挙げたマイクの例ならば2×入力=2×出力であり、エレベーターの例ならば3×入力=3×出力となります。この、「入力=出力」で表される線形システムが、ありとあらゆる先端技術を支えているのです。
根本をつくりだす
現在、線形システムが用いられているものならば、どんなものであってもコントロールできるようなシステムの理論が構築中です。線形システムが使われているもの、例えばエレベーターの上昇や下降のコントロールや、飛行機の着陸から停止までの制御などのあらゆる技術に用いることができる理論が構築されています。
この理論の構築は、ロボットや人工衛星などをコントロールする個別のシステムの構築ではなく、その個別のシステムをまとめ上げる作業をしていると言ってもいいかもしれません。このまとめ上げの作業をするためには、欠かせないものがあります。それは数学です。さまざまな先端技術を支えるシステムをまとめるためには、数学が必要不可欠なのです。
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