「無意識」の行動から生まれるものは?
物事に集中すると、時間が早く過ぎる!
「気がついたら、あっという間に時間が経っていた」という経験はありませんか? 好きなことをしていると、時間が早く過ぎるように感じます。このように物事に没頭して、ワクワクした高揚感の中にいる状態を、心理学では「フロー(Flow)状態」と言います。子どもの頃は、よくこのような状態になります。無心に何もかも忘れて、夕方まで遊んでいる子どもはフロー状態にあるのです。
熱中することで満足感が得られポジティブになれる
成長するにしたがって、物事を客観的に考えるようになるため、フロー状態になることは減っていきます。それでも、スポーツや学習、趣味に没頭し、我を忘れることもあります。「将来のために、今、この勉強をしなくては」という義務を感じるのではなく、勉強している内容そのものが楽しいという状態になると、効率も上がります。
スポーツ選手の場合は、競技に集中し、フロー状態になることが多いでしょう。熱中した状態を経験すれば、たとえ結果が出なくても、満足感を得られる可能性が高くなります。フロー体験は、人をポジティブな気持ちにさせる効果があるとされています。子どもの頃にフロー状態を経験していれば、大人になってから、人生のさまざまな瞬間にそれを再び経験することができます。フロー体験は、頭で考えるというより、「無意識」に行われるものなのです。
あなたが「無意識」にしていることは何?
私たちは、自分の行動をすべて、「自分が意識をして、行っている」と思いがちですが、フロー状態のように、実は無意識のうちに行動する場合も少なくありません。「うっかり、〇〇をしてしまった」ということもありますし、頭の中に、前後の脈略なく、ふっと何かの言葉が浮かんでくることもあります。いつも自分の意識を自分でコントロールしているとは限らないのです。無意識という状態にもっと注目してみると、思わぬことに気づくことができるかもしれません。
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先生情報 / 大学情報
鳥取大学 地域学部 地域学科 人間形成コース 准教授 田中 大介 先生
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