企業、消費者、地域の「三方良し」のマーケティングとは
いつも同じコーラを買ってしまうのは
あなたはコーラを買おうと思った時に、いつも同じ商品を選んでいませんか。何種類もある中で、なぜその商品を買うのでしょうか。味が好き、炭酸が強い方が好き、などの理由を挙げる人も多いですが、実際に目隠しをして飲み比べをすると、どのブランドか当てられる人は少ないでしょう。一つの商品を世の中に広めていくには、さまざまな因子が関係します。味だけでなく、パッケージデザインやブランドイメージが消費者の購買行動に影響することもあるのです。こうした「なぜこの商品を選んだのか?」という消費者の気持ちを分析することで、企業はより最適なマーケティング戦略を立てることができます。
地方に人を呼ぶ経営学的アプローチ
経営学やマーケティングは、企業やその企業が提供する商品だけに関係するわけではありません。例えば、北海道ニセコ町で行われている国際的な自転車レースのイベントでは、参加者に「なぜこのイベントに参加したのか」についてのアンケート調査を行いました。その結果、走るコースや費用面での魅力だけではなく、「ニセコの自然」や「気候」なども影響していることがわかりました。海外の方から見れば、日本にはいろいろな自然があり、その地域にしかない魅力があります。そうした魅力を生かしたマーケティングをすることで、地方に人を呼ぶことが可能になるでしょう。
モノを売るだけがゴールではない
ほかにも、台湾の自転車メーカーのジャイアント社は、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」で自転車のレンタル事業を行っています。これは、瀬戸内海の素晴らしい景色を楽しみながら、同社の自転車の良さを感じてもらう取り組みです。モノを消費するだけではなく、体験によって得られる価値を重視する最近の消費者ニーズにもマッチし、さらには地方活性化にもつながっています。
経営学の視点があれば、企業は消費者に魅力的な商品やサービスを提供するだけでなく、地域にも貢献できるのです。
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