自分らしい歩みを支援する「前を向いて進むための心理学」とは

自分らしい歩みを支援する「前を向いて進むための心理学」とは

共に支援する人たちをサポートしていく大切さ

思春期から青年期への発達段階において、心の課題・問題やそれらに伴う心の機微に悩む人も少なくありません。そんな人たちに寄り添い、課題・問題の解消解決のお手伝いをするのが、心の専門家である「スクールカウンセラー」です。しかし、実際にカウンセリングを受けられる機会は限られています。スクールカウンセラーが学校を訪れる機会は、月2回、さらに少ない場合は年に数回ということもあります。そのため「話がしたいときに話ができない」「次に会うのが数カ月先になってしまう」ということも少なくありません。
そこで、スクールカウンセラーが、共に高校生を支え・成長発達を促す仲間のような存在、つまり学校の先生や保護者、家族と協力し合い、サポートしていく「コンサルテーション」が実践されるようになりました。

「コンサルテーション」による協働

コンサルテーションとは、心の専門家の支援活動の一つで、スクールカウンセリングの一つの柱です。具体的には、課題や問題を抱える高校生に直接向き合う学校の先生(もしくは保護者や家族)と心の専門家であるスクールカウンセラーが「協働」することで解決へと促す、間接的な支援活動です。ただし、悩みを抱える高校生にとって有効なコンサルテーションのあり方を模索するには、先生方がスクールカウンセラーに求めていることをきちんと把握する必要があります。

研究結果をもとに実践していく心理学

ニーズに応えられるコンサルテーションを行うために、先生方を対象とした質問調査はもちろん、「このようなコンサルテーションはどうでしょうか」と実際に学校に出向いて実践し、その結果を検証するような研究も行われています。心の専門家と先生が対等に相互に話し合い、協働しながら、どのように支援していくか、まさにトライアンドエラーの繰り返しです。臨床心理学とは、ただ心理を研究するに留まらず、それをいかに実践に生かしていくかが重要なのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 心理学科 講師 中村 美穂 先生

国際医療福祉大学 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部 心理学科 講師 中村 美穂 先生

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心理学、臨床心理学

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メッセージ

今の高校生は皆、勉強や人間関係など日々がんばって過ごしていると感じます。そんな中で、さらに何かに挑戦するなら、ぜひ「人とつながること」にトライしてください。誰かとつながっていくことで、目にすること・耳にすること・心と心が触れ合うことで、気づき学び知ることがいっぱいあるはずです。ムダに見えることの中に意味を見いだせるかもしれません。それがあなたらしさや将来の学びにつながる可能性だってあります。人を通じてさまざまな経験を重ねつつ、進む道をぜひ自分で決めてください。

国際医療福祉大学に関心を持ったあなたは

本学は、栃木県大田原市、千葉県成田市、東京都港区、神奈川県小田原市、福岡県福岡市と大川市に6つのキャンパス、11学部26学科を展開する日本初の医療福祉の総合大学です。学部・学科横断で学ぶ本学独自のカリキュラム「関連職種連携教育」をはじめ、現代の医療福祉現場で不可欠な「チーム医療・チームケア」を実践的に学べる教育が特長です。2020年3月に開院した国際医療福祉大学成田病院など、6つの附属病院や多くの医療福祉関連施設を有し、充実した臨床実習環境を整備しています。