「話せる」と信じる気持ちが、英語スピーキング力アップのカギ!

英語を話す「自信」が大事
英語を話すとき、「自分ならできる!」と思えるかどうかが、実は英語力に大きく影響しています。この「できると思う力」は自己効力感と呼ばれ、心理学者Bandura(1997)が提唱した考えです。自己効力感が高い人は、不安が少なく学習への意欲も高いため、成功につながりやすくなります。反対に、自己効力感が低い人は「失敗しそう」と感じてしまい、うまく力が発揮できません。日本の高校生を対象とした研究では、男子は自信を持ちやすく、女子は実力があっても控えめに評価しがちという傾向があることがわかっています。
自己効力感を高める4つの要素
自己効力感を高めるには、次の4つの要素を高めることが重要です。1つ目は「成功体験」で、「自分の英語が通じた!」などの小さな成功の積み重ねが自信につながります。2つ目は「ロールモデルの存在」で、人がうまく英語を話しているのを見て自分も感化されることです。3つ目は「他者からの励まし」で、褒められると自信につながります。4つ目は「ワクワク感」です。英語を話すこと自体を楽しむ気持ちが、前向きな姿勢につながります。こうして育まれた自己効力感は、教室内環境だけでなく、留学先を含む教室外環境での実践でも役立つことが研究でもわかっています。
やる気のかたちは人それぞれ
英語を勉強する理由は人それぞれです。DeciとRyan(1985)は自己決定理論の中で、学習者がどのように動機づけられるかを自己決定の度合いから説明しています。内発的動機づけは「英語が楽しい」「外国とつながりたい」といった学習者の内面から湧き出るものであり、外発的動機づけは「受験に必要だから勉強する」といったものです。以前は内発的動機づけを高める方が良いと考えられていましたが、現在は二者択一ではなく、人のやる気は時と状況によって刻々と変化するものだと考えられています。あなたが今、英語を学習する理由はどのようなものでしょうか?
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宮崎公立大学人文学部 国際文化学科 言語・文化専攻 准教授宮内 なぎさ 先生
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