デザインの「センス」はどうやったら磨けるの?
社会はデザインであふれている
身の回りは、デザインされたものであふれています。ファッションブランドの手提げ袋や、お菓子や日用品のパッケージ、雑誌や本の体裁、ポスターなどはすべてデザインされています。何か商品を手にする時、これらデザインされたものから受け取るイメージによって、無意識に「好き」「嫌い」を判断し、自分の好みに合ったものを選択していると言えます。また、配布されたチラシやパンフレットでも、すぐに捨ててしまうものと、手元に残すものがありませんか? その差は、いったいなんでしょう?
アーティストとデザイナーの違いとは?
デザインは、色と形、素材、構成などからなり、それらをひとつの世界観にまとめているのがデザイナーの「センス」です。例えば、商品や企業で使われている色には、さまざまな意味があります。やわらかいグリーンからは、安らぎ、安全、自然などの印象を受けます。また、文字の形やものの質感、全体のバランスの中での写真やイラストの配置の仕方によっても印象は異なります。一見、そうは思えないものでも、さまざまなデザイン的な工夫がほどこされています。
アーティストは自らの感性を突きつめて作品を作りますが、デザイナーは、社会と製品コンセプトの間に整合性を保ちながら発信・伝達する必要があります。
デザインセンスを磨く
では、デザイナーはどのようにしてセンスを磨くのでしょうか? 例えば好きな色がある場合、それを好ましいと感じる理由を考えることで、自らの感覚をとらえていきます。また、歌を聴いたり、本を読んだりして、人が表現したものを自分の心に響かせてみることや、日々の生活の中でデザインに触れた時、音楽や文学と同様にその作品が伝えようとしているメッセージを感じ取ることはセンスを磨く方法のひとつです。
センスの核となる自身の持ち味(個性)を知り、それらを生かしデザインを学ぶ中で、色やテイストなど作風は、洗練され、発信力が強まり、完成度は上がるのです。
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先生情報 / 大学情報
大手前大学 建築&芸術学部 建築&芸術学科 教授 砂押 かほる 先生
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