幅広い学びで、未来の建築やまちづくりに貢献しよう

幅広い学びで、未来の建築やまちづくりに貢献しよう

建築学は幅広い知識の統合

建築学といえば、理系で学ぶイメージがあるかもしれませんが、学問として関係する範囲は幅広く、例えば歴史や自然環境、デザインや色彩・空間・照明・インテリアなどに関する心理学、高齢社会など社会問題に関する知識、ビジネスマインドなど、さまざまな事柄が関係しています。幅広い分野の知識が統合しているのが、建築学の特徴なのです。

街を歩いて建物を観察してみよう

あなたが建築に興味があるなら、まずは街に出て周囲の建物をよく観察してみてください。窓の形や大きさ・位置、色などのデザイン、外壁の材質など、建物はどこもかしこも何らかの意図を持って造られています。もちろん外観だけでなく、その内部も、一つひとつに人の動線や防災などさまざまな要素が考慮されています。これらを観察し、どんな意図があるのか、どんな工夫がされているのかを想像してみることが、建築を学ぶ第一歩になるのです。
例えば、ホテルの部屋の扉は内側に開くように設計されています。これは、廊下に面して部屋が並んでいるので、外側に開く扉では廊下を歩く人にぶつかる危険性があるからです。また、映画館など人がたくさん集まる場所の扉は、外開きが基本です。災害が起きたとき、内開きの扉では、避難する人が殺到すると開けることが困難になってしまうからです。

あるものを長く生かすまちづくり

建築で今求められているのは、既にあるものを生かしながら手を加えて長く使う「サスティナビリティ(持続可能性)」という考え方です。これをふまえて、広島県の尾道では、過疎化や高齢化で増えた空き家を店舗や宿泊施設などに再利用し、地域の活性化につなげようという活動がNPOを主体に大学生も参加して行われました。人々の努力の甲斐あって、尾道は地域の伝統やその土地ならではの生活の良さを残しつつ、観光スポットとして活気が戻ってきています。新しいものを建築するだけではなく、この空き家再生など建築にはさまざまなアプローチがあるのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。

先生情報 / 大学情報

大手前大学 建築&芸術学部 建築&芸術学科 教授 川窪 広明 先生

大手前大学 建築&芸術学部 建築&芸術学科 教授 川窪 広明 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

建築学

先生が目指すSDGs

メッセージ

建築を学ぶということは、幅広い知識を修得するということです。構造や設計、デザイン、歴史、文化、そして自然や環境に関わることなど、建築とはいろいろな知識の集合体なのです。そして、その魅力は、もの作りの楽しさにあります。
大手前大学では、設計や施工の現場で、インターンシップとして社会経験を積むこともできます。東日本大震災からの復興や東京オリンピック開催のために、建築に携わる人が求められています。興味のあるあなたには、勉強を始める絶好の機会です。ぜひチャレンジしてください。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?

大手前大学に関心を持ったあなたは

入学してから専攻を決定する「レイトスペシャライゼ―ション」を導入。目標をしっかり決めてから専攻を選べる。学部を超え、異なる専攻を「組み合わせて」学ぶといったことが可能(一部の学部は除く)。また、世界で必要な英語コミュニケーション力が身につく「実践英語プログラム」を設置している。