インターネットにつながる衣服! 圧電繊維が拓く未来!
あらゆるものがインターネットにつながる時代
今や私たちの生活に欠かせないものとなったインターネットの発展は、驚くべきスピードで進んでいます。パソコンやスマホなどの端末だけではなく、家電製品や自動車、さらには眼鏡や衣服といった身の回りのものがインターネットにつながりはじめています。このように、あらゆるモノがインターネットとつながることを「IoT(Internet of Things)=モノのインターネット」と呼びます。
アナログからデジタルへと情報をつなぐセンサー
IoTに欠かせない技術の1つが「センサー」です。センサーとは変換器のことで、アナログの現実世界を生きる私たちの情報と、インターネットのデジタル情報をつなぐ役割を果たしています。このセンサーを通して得られた無数の情報からAI(人工知能)解析を通して、社会に有益な知見を得ることが期待されています。
近年IoTの進展とともに、このセンサーの性能が飛躍的に向上しているのです。これまで、体の動きなどの情報をデジタル機器に入力するためには、カメラで撮影したり、体にコードをつなげて電気を測定したりしていました。ですが、これらの方法では細かな動きまでは撮影できなかったり、コードがあることで自然な動きが妨げられたりするといった欠点がありました。
着るだけでインターネットにつながる衣服
人の運動情報をインターネットへとつなぐセンサーの画期的な素材として、「圧電繊維」が注目を浴びています。圧電繊維とは、圧力がかかることによって電気を発する繊維のことです。繊維を特定の方法で編むことにより、体の一定方向の動きのみに反応して発電し、離れた場所にあるデジタル機器へと無線で情報を送ることができます。
この素材を使えばインターネットにつながる衣服を作ることも可能です。着るだけで遠く離れた老親の見守りや、ゴルフの素振り動作を測定しプロとの違いを教えてくれる「コーチングシステム付きウェア」といった、夢のような商品の開発も進んでいるのです。
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先生情報 / 大学情報
関西大学 システム理工学部 電気電子情報工学科 教授 田實 佳郎 先生
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