インターネットを快適で、安全に、公平に使うためには?
インターネットを快適に使うために
インターネットをストレスなく使うためには快適性・安全性・公平性が必要です。この3つを実現するためにはどうしたらいいでしょうか。
快適性を保つためには、見えていない需要も考慮して供給量を確保することが必要です。例えば複数のゲーム会社が同時に配信を始めると、サーバがダウンしたり通信速度が低下したりします。これはユーザーの需要がネットワークの供給量を上回るためです。こうした異常をいち早く検知して原因を推定するために、機械学習が導入され始めています。
安全性:ワクチンとの共通点
インターネットを安全に使うためにはセキュリティソフトを普及させることも重要です。セキュリティは大勢が対策をすることで初めて安全性が保たれます。これは実世界でのワクチン接種にも共通します。ワクチンを打てば自分の感染症予防ができるだけでなく周囲にうつす可能性も低くなります。すると社会全体で感染爆発を予防できるというわけです。より多くの人にセキュリティソフトを導入してもらうことを考えるときは、安全が保たれるという安心感とコストの負担感を比較して、1円でも負担感が安くなるように設定します。しかし実際には周りの導入状況に応じて自分の対策を講じる人もいるため、人間の不合理性や環境の変化も考慮しなければなりません。
公平性の難しさ
インターネットなど限られたものを大勢で使おうとするとき、重視されるのが公平性です。しかし公平という概念はとても難しく、全員に同じものを与えればいいわけではありません。例えばチケット予約で電話が混雑すると公平性を配慮してランダムに通信が切断されます。しかしチケット予約以外で電話を使用する人の通信まで切れると反発を招いてしまいます。また、110番など緊急度の高い電話は必ずつながるようにしなければなりません。社会と個人のニーズ、納得できる優先理由など、さまざまな視点から公平性を考えることが必要なのです。
※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。
※夢ナビ講義の内容に関するお問い合わせには対応しておりません。
先生情報 / 大学情報
国際基督教大学(ICU) 教養学部 アーツ・サイエンス学科 情報科学メジャー 准教授 石橋 圭介 先生
興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!
情報科学先生が目指すSDGs
先生への質問
- 先生の学問へのきっかけは?
- 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?