講義No.08432 食物・栄養学

災害時、被災者の健康と安心に貢献する「管理栄養士」

災害時、被災者の健康と安心に貢献する「管理栄養士」

災害時に不可欠となる「管理栄養士」

地震などの大規模災害で活躍する人といえば、どんな職業を思い浮かべますか? まずは安否の確認や救助、ケガ人の治療などにあたる、自衛隊員や警察官、消防士、医師や看護師をイメージする人も多いでしょう。しかし実は、それらと同じように必要とされるのが「管理栄養士」です。
災害時には多くの人が避難生活を送ります。被災者が元気に過ごすためには、きちんとした栄養の摂れる食事が非常に重要です。なかでも高齢者や乳幼児、持病やアレルギーのある人たちは、特別な食事の支援を必要とします。その重要な役割を果たすのが管理栄養士なのです。

管理栄養士が安心と健康を提供

被災地では、全国から届くさまざまな支援物資を選別しています。栄養学の知識のない人が選別すると、糖質制限用の食料や流動食、乳児用といった物資が脇に押しやられ、必要な人に届かなくなってしまいます。また、下痢や食欲不振といった体調に適した食事のケアも必要です。管理栄養士は、それらを正しく行うことができます。
電気・水道・ガスといったライフラインが止まっていても、あるものだけを使っていかに炊き出しをするのかも、栄養士の腕の見せ所です。また、食事は楽しみや癒やしにもなるものです。毎日の食に変化をつける工夫も必要となります。被災地では、あらゆる面からの食生活支援が管理栄養士に求められるのです。

医療やスポーツなど、広がる活躍の場

このように災害時の知識を身につけた管理栄養士はいざという時に大いに活躍できるでしょう。現在、そうした管理栄養士の育成も進んでいます。
また、今は「食事による健康」が見直されている時代です。スポーツジムや高齢者施設などでの栄養サポートのほか、トップアスリートを栄養面から正しくサポートすることもできます。高齢者の地域包括ケアにおいても管理栄養士による食事面からの支援が求められています。管理栄養士の活躍の場は、ますます広がっているのです。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

修文大学 健康栄養学部 管理栄養学科 教授 小田 雅嗣 先生

修文大学 健康栄養学部 管理栄養学科 教授 小田 雅嗣 先生

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栄養学

メッセージ

管理栄養士は、いわば「食による健康のプロ」です。食べたものが体の中でどう活動するかを知っていれば、おいしいものを食べながら健康的なダイエットができます。
私自身、仕事が多忙だった頃に、血圧上昇・高血糖、体重85キロ以上という時期がありました。でも、栄養士の知識を駆使して、薬に頼ることなく健康な体を取り戻すことができています。「栄養学」の知識を得ることで、家族の健康にも貢献できるでしょう。今後は幅広い活躍が期待され、自らも健康に関する知識を得られる管理栄養士の学びを一緒に楽しみましょう。

先生への質問

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修文大学は医療系大学へと進化!今後ますます必要とされる地域医療や在宅医療の知識に長けた管理栄養士を養成する「健康栄養学部 管理栄養学科」、最新の医療知識と技術を備え、看護支援地域の医療に貢献する看護師を養成する「看護学部 看護学科」、必要な知識・技術だけでなく、医療科学者として探究心を大切にし、医療チームから高く信頼される臨床検査技師を養成する「医療科学部 臨床検査学科」を設置しています。
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