講義No.08908 食物・栄養学

本当にやせるの? 私たちに必要な食の知識を伝える管理栄養士の役割

本当にやせるの? 私たちに必要な食の知識を伝える管理栄養士の役割

酵素を食べるとやせる?

健康への関心が高まっている現代、食や栄養に関するさまざまな情報があふれています。例えば、ダイエット効果があると言われる食品がテレビで紹介されると、すぐに広まってブームになることも珍しくありません。サプリメントを飲む人も多く、最近では「酵素でやせる」というダイエットが注目されています。酵素は、果物や野菜などに多く含まれていることもあり、いかにもやせそうなイメージがあります。しかし、酵素はたんぱく質で分子量が大きいので、そのままでは吸収されません。それらは消化酵素により分解されて、ペプチドやアミノ酸になります。吸収される時点で、すでに酵素の形ではなくなっているのです。たんぱく質なので肌や筋肉の材料になるのは確かですが、酵素にダイエット効果があるかどうかは疑問です。

食の専門家が果たす役割の重要性

食べ物は、自分の思い込みで食べたり、飲んだりすることも多いかもしれませんが、イメージでとらえるのではなく、正確な食の知識を得ることが、私たちの健康づくりの上で大切なことです。しかし、食についての知識を誰かに聞きたいと思っても、なかなか身近に専門家がいないというのが現実です。食の専門家である、管理栄養士の果たす役割は大きくなっています。

活躍の場が広がる管理栄養士

管理栄養士の仕事は、栄養相談や献立作成など多岐にわたりますが、患者さんをはじめ、さまざまな人に対して栄養指導を行うことが大切な業務です。限られた時間で話をして食生活を改善するように促し、効果を出すのは難しいことですが、やりがいがあり、また特別な道具がなくてもできるのが栄養指導の利点です。
例えば、発展途上の国へ行っても、言葉さえ通じたらその国の人の健康づくりに貢献することができます。また最近では「チーム医療」においてメンバーとして加わるなど、管理栄養士の活躍の場はますます広がってきています。

※夢ナビ講義は各講師の見解にもとづく講義内容としてご理解ください。

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先生情報 / 大学情報

大手前大学 健康栄養学部 管理栄養学科 教授 吉澤 みな子 先生

大手前大学 健康栄養学部 管理栄養学科 教授 吉澤 みな子 先生

興味が湧いてきたら、この学問がオススメ!

栄養学、食品機能学

先生が目指すSDGs

メッセージ

管理栄養士は、病院での栄養指導や小学校での子どもたちの食育をはじめ、食品メーカーでの新商品の開発、アスリートの栄養管理など、さまざまなところで働くことができます。また、大手前大学健康栄養学部では、管理栄養士だけではなく、栄養教諭、ドラッグストアで薬を販売できる登録販売者、NR・サプリメントアドバイザーなど、プラスアルファの資格も取得できます。教員一丸となって、管理栄養士をめざす人を全力でサポートしますので、あなたも一緒に学びませんか。

先生への質問

  • 先生の学問へのきっかけは?
  • 先輩たちはどんな仕事に携わっているの?

大手前大学に関心を持ったあなたは

入学してから専攻を決定する「レイトスペシャライゼ―ション」を導入。目標をしっかり決めてから専攻を選べる。学部を超え、異なる専攻を「組み合わせて」学ぶといったことが可能(一部の学部は除く)。また、世界で必要な英語コミュニケーション力が身につく「実践英語プログラム」を設置している。