オープンデータが社会を大きく変えていく
お客さんを予測するAIタクシーとは?
「AIタクシー」を知っていますか? スマートフォンの位置情報から人の動きを推定し、これまでの乗車実績や天気予報などを参考にして、タクシーに乗車しそうな人々がどのエリアにどのくらいいるかを予測するシステムです。これまでベテラン運転手だけが持っていた直感的な知識を、人工知能(AI)を利用してシステム化し、新人の運転手でも効率良くお客さんを拾うことができるようになりました。
このシステムは、位置データを保持する携帯電話会社と、タクシー会社が連携することで実現しました。
データを市民生活に役立てるシビックテック
地図などの公共データを、情報公開して活用しようとする「オープンデータ」の動きは、企業や自治体にも広がりつつあります。また、オープンデータを活用して、市民生活に役立てようとする取り組みを「シビックテック」と言います。
例として、交通事故が多い場所や、どのあたりに高齢者がどれくらいいるかというオープンデータを可視化することで、高齢者への注意喚起や、通学路での子どもの見守りにつなげることができます。また各バス停から徒歩圏の地図を作ってバス路線と照らし合わせることで、生活圏にバスが通っていないことを可視化し、バス路線をひろげるように行政に訴えかけることもできるのです。
高齢者や障がい者も支援する情報科学
オープンデータやAIを含めた情報技術は、さまざまな分野での活用が期待されています。市販されている人型ロボットの音声認識と合成音声の機能を使って高齢運転者を支援する取り組みもその1つです。ほかにも肢体の不自由な人が視線でパソコン入力できる技術や、心拍などの身体情報を読み取る繊維素材など、障がい者支援の新しい技術が多く開発されています。高齢者や障がい者はもちろんのこと、みんながより暮らしやすい社会を実現するために、情報科学は発展し続けているのです。
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先生情報 / 大学情報
椙山女学園大学 情報社会学部 情報デザイン学科 ※2024年4月開設 准教授 向 直人 先生
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