魅力あふれるアニメーションの世界
広がりをみせるアニメーション
いろいろな形でアニメーションを目にする機会が増えています。これまでは、テレビ、映画などで公開される作品が中心でしたが、最近はWeb上で公開されることも増えてきました。また、その手法も、手描きや切り紙などの平面、人形や粘土などの立体、そして3DCGなど表現の幅が広がっています。
実写の映像は、背景などカメラに映ったものがすべて記録されますが、アニメーションの場合は、登場人物の動きはもちろん、背景なども全部自分たちで考えなければなりません。それがアニメーションを作る大変さでもあり、楽しさでもあります。
登場人物の動作が伝えるもの
アニメーションで大切なのは「時間表現」、そして目には見えない「間(ま)」です。例えば、人が振り向く動作を描く際も、ゆっくり振り向くのか、素早く振り向くのか、そのスピードとタイミングの違いで、振り向く人の性格やその場面の状況などを、そこから感じとることができるのです。また、画面では振り向く人しか描かれていなくても、ガラスがパリンと割れた音がして振り向いた場合は、どういうことが起こったのかを、見ている人は理解できます。このように、目に見えない部分も「時間」や「間(ま)」を意識することで独自の表現ができる、これもアニメーションの魅力です。
アニメーションの将来の可能性
パソコンの普及でアニメーションは比較的簡単に作れるようになりました。個人の思いを自由に表現することもできます。また、見る側も、お茶の間でテレビをみんなで見る時代から、パソコン、スマートフォンなどで個人で楽しむ時代へと移行しつつあり、今後、アニメーションはさらにパーソナルなものになるでしょう。
日本のアニメーションは、世界的にも評価され海外へ進出しています。今までは「とりあえずアニメなら売れる」と単なるコンテンツとしてとらえられてきたのも事実です。アニメーションなら何でもいいというのではなく、きちんと作品としてのクオリティを保って発信していくことが求められているのです。
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先生情報 / 大学情報
大手前大学 建築&芸術学部 建築&芸術学科 准教授 和田 淳 先生
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