民法と民事訴訟について学ぶことで、自分の意見を持つ力を養う!
誰にとっても、法律は身近な存在
「法律とは無縁」と思っている人は多いでしょう。でも、例えば、店でお茶を買うのも「売買契約」で「民法」という法律に定められた法律行為です。また、通学で電車に乗るのも「旅客運送契約」という法律行為であり、万が一乗っている電車が事故を起こして怪我を負った場合に、損害賠償を請求することができるのもそれに基づいた権利です。私たちの何気ない日常生活は法律により規律され、安心安全な生活は法律によって築かれているといえます。
権利を実現するための法律がある
紛争が発生した場合、それを解決する方法の一つに「裁判」があります。当事者同士の話し合いで自立的に解決できればよいのですが、そうはいかない場合があります。いくら権利があると言っても、実力行使は近代国家において原則禁止されており、国家は紛争を解決する制度として裁判を用意しています。私人間の紛争の終局的解決手段は「民事訴訟」です。民事訴訟は、裁判所に訴えを提起することから開始します。裁判所は全国にありますが、どこのどの裁判所に訴えを提起したらよいのか、自分の権利を認めてもらうにはどんなことを主張・立証したらよいのかなど訴訟手続の一連の流れも民事訴訟法などの法律で規律されています。裁判で認められた権利についても、自力救済禁止原則により、裁判所に権利執行を求めなければなりません。この手続は民事執行法という法律によります。
法律を覚えるのではなく、その思考方法を学ぶ
大学で法律を学ぶということは、法律名や条文を覚えることではありません。なぜその法律や条文が存在しているのか、必要とされている状況について想像力を働かせながら、その存在理由や目的をきちんと理解することが大切です。法律や条文の存在理由や目的が理解できていれば、認められる例外、認められない例外の区別もついてきます。法律学では、解釈という作業、思考過程が大変重要です。このような思考方法を身につけることは、社会に出てからも公正な判断を下すスキルとして役に立つはずです。
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先生情報 / 大学情報
広島修道大学 法学部 法律学科 准教授 山田 明美 先生
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民事法学先生への質問
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