クールジャパンとして世界で高い評価を得ている「アニメ」
物語性や内容が深い
日本のアニメーション作品=「アニメ」は海外でも評価され、多くの人に支持されています。その理由は日本の作品の独自性にあります。ひとつは、平和や自然に対しての目配りのある深い物語性や内容です。特に宮崎駿作品が海外で高い評価を得ているのはその点が大きいのです。『もののけ姫』には、自然が大切で、人間が悪だというような単純な話ではなく、さまざまな葛藤が描かれています。このような作品は、日本独自のもので海外ではあまり見られません。
独自の映像表現
次にキャラクターなどの独特の世界観です。主人公の髪の毛が黒・茶色・金色だけでなく、青やピンク、緑などもあります。またロボットが変化してトレーラーなどの車や乗り物になったり、合体したりする作品は海外にはあまりないものです。
さらに映像表現としての独自性があります。ハリウッド映画などの特長を吸収し、うまく消化してすばらしい映像を生み出しています。『紅の豚』で海面すれすれに飛行機が飛んでいるときに起こる波の形は現実にはありませんが、描けば映像としての力があります。また『崖の上のポニョ』の手描きによる波の場面は圧倒的な存在感があります。このようにアニメーションならではの映像が日本独自の表現方法として、見る人に受け入れられているのです。
手塚治虫から始まった
独自の発展を遂げた日本のアニメーションは、もともとハリウッド映画やディズニーのアニメーションに強い影響を受け、これを超える作品を作りたいという目標をもっていました。手塚治虫は日本で初めてのテレビアニメーションの『鉄腕アトム』を誕生させました。最初のころは予算も少なく、ぎこちない動きでしたが、爆発的な人気になりました。それ以降、数多くの作品が制作され、やがて『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』などでブームを迎えました。そのころには技術者も育ち、ファンの年齢層も広がったことで、いわゆる“大人の鑑賞”にも堪えられる作品を生み出す土壌ができていたのです。
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