航空技術の結晶、国産ジェット機とエンジン
ジェット機製造はグローバルなプロジェクト
ジェット機は世界中を飛ぶ最速の移動手段です。その機体やエンジンの製造は、複数の国が参加して行われます。1980年代、英米独伊に日本も加わった5カ国による国際共同開発で、「V2500」というガスタービン方式のジェットエンジンが開発されました。これは、エアバス社のA320など中規模サイズの航空機向けに大ヒットし、日本はこの共同開発に参加して大きな自信をつけました。
戦後7年間途絶えた日本の航空産業の歴史
第二次世界大戦中、日本は高い航空技術を有し、終戦直前に「橘花(きっか)」というジェット機を完成させていました。しかし日本では敗戦後の7年間、戦力につながる航空産業そのものが禁止されました。そのため、当時の優秀な航空関係の研究者や技術者たちは鉄道や自動車などの分野に移り、やがて日本の高度経済成長を支えていったのです。
この空白の7年の間に、欧米の航空産業が世界の市場を占有しました。日本のメーカーは再スタートを切ってから、ボーイング社などのライセンス生産などを続けることで生産技術を高めるとともに、国の研究開発プロジェクトなどで航空機やジェットエンジンの設計開発技術を着実に高めてきました。
国産ジェット旅客機の事業化と新型エンジンの開発
国産のジェット旅客機開発は、日本にとって国家プロジェクトでもあります。国の長期的な働きかけもあり、海外との共同開発や日本が分担する製造割合を高めてきた結果、海外大手と競合しない小型クラスですが、三菱重工業が国産のジェット旅客機を開発し量産を開始することで日本がジェット旅客機の市場に参入する時代になりました。
現在のガスタービン方式に代わる次世代航空機として、電動化も研究されており、世界中が電動航空機開発にしのぎを削る時代へ入ってきました。超音速エンジンのように速さを競う研究もありますが、地球環境に配慮した持続可能な推進技術の開発は世界的な課題です。
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高知工科大学 システム工学群 航空宇宙工学専攻 教授 野﨑 理 先生
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