日常生活から人命救助まで~「センサ」が世界を変える~
日常生活でも活用されているセンサ
最近、IoT(モノのインターネット)という言葉がよく聞かれます。IoTの大事な要素のひとつが「センサ」です。
例えばスマートフォンにも、傾き、加速度、位置などを測るさまざまなセンサが組み込まれています。脈拍や歩数を自動で測定してくれるスマートウォッチや、高度や姿勢を自律制御して飛ぶドローンなど、日常生活の中でどんどんセンサの活用が進められています。
センサとAI(人工知能)の連動が産業を救う?
センサを使うと、人がいるかいないか、暑いか寒いか、何か異変が起きているかなど、世の中で起こっているモノ・コトをコンピュータで解析できるデータに変換できます。このデータを大量のセンサから集めることができれば、「いま世の中で何が起こっているか」「どんな働きかけを行えば世の中が良くなるか」をAIに理解・判断させるための情報源とするなど、さまざまな使い道に応用できるようになります。
例えば、大量のセンサを農園で稼働させ、温度・湿度・気圧・照度といった環境情報をデータ化することで、これまでわからなかった作物を育てるための理想的な栽培条件が明らかになるかもしれませんし、農家の人がその場その場で行うべき作業を的確に導きだすことができるようになるかもしれません。
自律的に協調しあうセンサネットワーク
大量のセンサを稼働させた場合でも、個々のセンサがネットワークを介して勝手に協調し、必要な情報を集められるようにするセンサネットワークの研究が進められています。例えば、広大な地域が被災する大災害が起きたとき、大量のドローンの協調動作によって被災状況を一斉に調べることができれば、一分一秒を争う人命救助に大きな力を発揮します。
個々のセンサが効率的に自己判断するアルゴリズムがあれば、大規模な環境でも無駄なく情報が集められるわけです。これからの世界は、センサネットワークによってあらゆるものが自動で効率的に動くようになるでしょう。
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島根大学 総合理工学部 知能情報デザイン学科 教授 神﨑 映光 先生
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