「光」の制御技術が、未来の世界を切り開く鍵となる!
社会生活を支える光通信技術
私たちの日常生活は、今やスマートフォンやパソコンでインターネットにつながるのが当たり前です。いつでもどこでも配信コンテンツを楽しみ、友人たちとSNSでいろいろな情報を共有できます。その莫大な通信量を支えているのが光通信ネットワークであり、世界中に張り巡らされた光ファイバー網で伝送されています。しかし光は、ちょっとした環境変化ですぐに減衰してしまいます。光ファイバーは、いかに光を減衰せずスムーズに導くかという「光導波路」技術を用いており、コアとクラッドという二重構造を持つ石英ガラスの中を反射させることで光を前に進ませます。
大量のデータは光の信号に乗る
光が伝送するのは0か1のデジタルデータです。例えるなら横断歩道の信号機で「止まれ」を表す赤や「進んでよい」を表す青の信号であり、これも光を使って情報を伝えているという意味では同じです。
異なる波長の光を多重化すると、1本の光ファイバーにたくさんの信号が乗せられます。例えば、空にできる7色の虹には、よく見てみるとたくさんの色が含まれていることがわかります。波長の長短によって、私たちはこれらを異なる色としてとらえます。この波長ごとにそれぞれ別の信号を乗せればいいわけです。ここで活躍するのが光のフィルタで、異なる波長の光を混ぜ合わせて多重化したり、多重化した光信号を切り分けたりする役割を持ちます。
光を制御して新しい未来へ
こうした光フィルタのほか、光の経路を切り替える光スイッチなど、光を電気に変換せずにさまざまな処理を実現するのが光回路です。光回路は通信だけでなく、光を用いた計測など、さまざまな用途に用いられます。その鍵を握るのが、光の伝播する道筋となる「光導波路」というわけです。おそらく今後、光通信はますます高度化し、より身近な場所に基地局が設置されていくことでしょう。ですからこの「光導波路」をいかに小型化・高性能化・低コスト化するかが、「未来の世界の形」を決めるといっても過言ではありません。
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先生情報 / 大学情報
香川大学 創造工学部 創造工学科 人工知能・通信ネットワークコース 教授 丸 浩一 先生
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